東京ブランドの21年秋冬向けは、テーラードアイテムの新しいスタイルが目を引く。コロナ禍でも、エレガンスの軸をぶらさない強い意志を感じさせるともに、時代に合った着心地や形へと改善していくファッションデザイナーの姿勢が明確になった。女性らしい魅力の表現も一段と多様性が増した。
(須田渉美)
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「人や社会の豊かさが向上していくように、重量感の変容を大事にした」とは「アキラナカ」(ナカアキラ)。ブラジルの建築家、オスカー・ニーマイヤーの建築から発想を広げ、視点が上にいくフォルムを意識し、カーブラインに変化のあるアイテムを揃えた。襟付きテーラードジャケットは、前立てが斜めに入ってショルダーラインが若干外に出ている。柔らかな着心地でクラシックな要素を残しつつ、造形への美意識を感じさせる。