ユニセックスブランド「トキアリ」 時を経ても残る服 着やすいモードを目指す

2024/08/05 11:00 更新


 時在服飾設計が手掛けるユニセックスブランド「TOKIARI」(トキアリ)は、「タイムレス・クローゼット」をコンセプトに長く着られて飽きの来ない衣服を提案している。京都の藤井大丸でセレクト店「時在服飾設計」を運営しながら、自社ブランドの商品開発にも力を入れている。

(藤本祥子)

 トキアリは、京都で22年1月に立ち上げたばかり。白黒を軸に「着やすいモード」を目指した服作りをしている。デザイナーは、セレクトショップのオーナー兼バイヤーをしていた経歴を持つ中村憲一さんだ。「素材の良さや着心地を重視し、クローゼットに残る服を作っていきたい」との思いがある。

「自分が着てみて、いらないと思う部分はなるべくそぎ落としてデザインしている」と話す中村さん

 ファーストシーズンの22年春夏から販売しているシャツ、TOBARI(トバリ)は、京都の朝や夜のとばりから着想を得たもので、一番売れているアイテムでもある。スタンドカラーで背面と肩、袖にギャザーが入っているのが特徴。税込み3万3800円。

京都の朝や夜のとばりをイメージしたスタンドカラーシャツのトバリ

 シャツは、中村さんが好きなアーティストや作家を想像し、「着たら似合いそう」という視点でデザインすることも多い。後期印象派の画家、ポール・ゴーガンをイメージしたGAUGUIN(ゴーギャン)は、エレガントなアロハシャツがコンセプト。リネンを使った五分袖のシャツで、袖にややパフスリーブのような丸みを出している。2万9800円。

エレガントなアロハシャツがコンセプトのゴーギャン

 24年秋冬物ではパンツの企画に力を入れており、袴パンツや刀をイメージしたブレードパンツなど京都発のブランドらしい要素を取り入れた。

 22年11月には京都にある藤井大丸の4階に、トキアリの旗艦店としての役割も担うセレクト店の時在服飾設計(店舗面積は約72平方メートル)を開いた。店内にはトキアリの商品を製作するアトリエを併設している。アクセサリーの「律動」や「零」、シューズの「アシックス」、ドイツの香水ブランド「CIRO」(シロ)などの仕入れ商品も揃えている。アトリエと売り場を併設した店の特徴を生かし、「作っている人から買った」という体験の提供も大切にしている。

京都の藤井大丸の4階にあるセレクト店「時在服飾設計」
店舗に併設したアトリエには、パタンナーや縫製ができるスタッフが在籍している

 今後は、トキアリで「全国の百貨店で期間限定店を開いてみたい」考えだ。



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