■パリでロリータファッションを
お茶会のプレリュード、前日にはロリータアソシエーションStreet fashion Europe 主催のサロンが凱旋門界隈の5つ星ホテルで開催され、BSSBがゲストメゾンとして出展、ショーにも参加した
若手ファッションカメラマンとしてパリコレなどでも活躍していた澤田貴彦氏が2007年に会社を設立し、ロリータブランド「ベイビーザスターズシャインブライト / BSSB 」のパリ店をバスティーユにオープン。
持ち前のカンのよさ、センスのよさ。そして真面目で努力家の澤田氏は、「パリ」と「ロリータ」のよさを活かした戦略を展開。
あの「コレット」のサラさんにもコレクションが気に入られ、サントノレの同店で1か月間のポップアップが開設されたり、オシャレなナイトクラブから「ファッションショー開かない?」とのお声がかかったり、コスメティックブランド「ブルジョア」の広告写真にBSSBのお洋服が採用されたりと、パリでのブランド知名度を広げてきた。
■ロリータたちによろこんでいただきたい
ビジネスだけではない。顧客のロリータたちによろこんでいただこうと、原宿スタイルの「プリンセスクレープ」をマレ4区に開いてしまった。
ユダヤ街のファラフェル屋の中で奮闘するホイップクリームのクレープ屋の澤田氏は、フランスの週末人気テレビ番組で取り上げられ、視聴者に感動を与えた。
BSSBのショー
そして顧客サービスとして、パリで初のお茶会を開催。第1回はブティック近所のクレープ屋だったが、あれよあれよと人気イベントに上昇し、世界ネームのサロン・ド・テ「ラデュレ」「アンジェリーナ」、そして「グランド・ホテル」「ウェスティン」「ウェストミンスター」をはじめとするオートクチュールの会場に使用される高級ホテルのサロンを貸切で、年2回お茶会が開催されてきた。
どの会場でもロリータのお茶会は大受けで、「是非またウチを使ってくださいっ」とラヴコールがかかるほど。とは言っても、澤田氏にとって、お茶会の企画から実現まではすっごく大変。パー券(お茶会チケット)価格もかなり低く設定しているので、持ち出し分もかなり痛い。
サロン当日。ホテルのトイレ前で
BSSBのブース
という訳で、2013年にお茶会休止宣言が出されたが、石川テレビからの番組取材依頼により翌年2月、ラデュレ・シャンゼリゼ店でお茶会開催」。
そして同年7月、ロリータたちのカリスマ、青木美沙子ちゃんが「わたしパリに行くの。ベイビーのお茶会に出たい」とピンクなお願いが来てしまい、フランス茶屋「マリアージュ・フレール」でまた開催されてしまった。
でも、育ちのいい優しいロリータたちは、澤田氏の背中を見て何かを感じていた…
■立ち上がるロリータたち 「ベイビー」への恩返し
「私たちのためにいつも一生懸命お茶会を開いてくれるムッシュー澤田、今度は私たちがムッシューのためにお茶会を開くのよ!」 これまで夢のように楽しいお茶会を開いてくれた澤田氏へ恩返しに、ロリータたちは立ち上がった。
企画から会場探し総て私たちがやるのヨ! そして彼女たちはロリータのイメージからは想像できない、恩返しお茶会を実現! 会場はマドレーヌ広場のフォーション。
そう、あのフォーションですよ。「日曜は働いちゃダメよ」のフランスなのだが、フォーションを日曜日の午後、まるまる貸切にしてしまった。
さあ、いよいよフォーションでお茶会
そしてこの日はベイビー8才の開店記念日! ドレスコードはBSSB、もしくはアリス&パイレーツ!! 参加ロリータは、欧州各国、米国から150人!!!
彼女たちのオーガニゼーションというか、仕切りのよさ。素晴らしいですよ。公用語は英語。ロリータのペラペラぶりに驚く。お育ちのよいし。
「ツインタワーを召し上がれ」(左)「マドモアゼル・ロリータ、ファイヤーエクレアタワーでございます」(右)
大切なお仲間同士の撮影道具は、最新のニコンやキャノン揃い。お洋服だけでないロリータの親後さんたちの投資振りが窺えた。
日本からBSSB社長の磯辺明徳氏とデザイナーの加納さんも、このお茶会のために渡仏。磯辺社長はお茶会参加後、パリ店の重要性と欧州展開拡大の可能性を感じたという。
「マカロンください」
今輝くバラの花たち
バラの命は短い。「日焼けするからカーテン締めて」とロリータたち。日曜の日差しは遮られ、官能的な雰囲気になってしまった
そして澤田氏は、欧州にただ一つのロリータブランドショップBSSBの現状を再確認し、ロリータたちが楽しんでいる姿を見てこの店を守らなくてはいけない使命感にかられたのだった。
ベイビーのベストドレッサー賞受賞者、ロシアのMajaさんと、アリス&パイレーツベストドレッサー賞受賞者、英国のElenaさん
波瀾万丈のお茶会記、どこまでも取材付いて行くから続けて。
マドレーヌ寺院で
そして澤田氏は、欧州にただ一つのロリータブランドショップBSSBの現状を再確認し、ロリータたちが楽しんでいる姿を見てこの店を守らなくてはいけない使命感にかられたのだった。
松井孝予
(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。