ティンパンアレイが低価格帯新業態「ユーズボウル」 「ラグタグ」とすみ分け

2023/05/24 06:28 更新


ららぽーと横浜に開いた1号店

 デザイナーブランドのユーズドセレクトショップ「ラグタグ」などを運営するティンパンアレイ(東京)は、より低価格な商品中心の新業態「ユーズボウル」を立ち上げた。マス層へ向けた品揃えで郊外を軸に出店し、新規客の取り込みを狙う。

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 同社の年間古着買い取り点数は約80万点。しかし、主力のラグタグはデザイナーブランドを厳選して販売しているため、うち20万点ほどは店頭に出せず、寄付か卸で手放していた。飯髙宏ユーズボウルチームディレクターは「ブームでリーズナブルな古着の需要が拡大している。店頭に出せていない20万点を販売する業態にも商機があると考え、ユーズボウルを立ち上げた」と話す。

 商品単価はラグタグで販売する商品の約半分前後に設定し、Z世代やファッションへの興味が薄い客層でも手に取りやすくした。若者向けの低価格なブランドやノーブランド品の古着のほか、ラグタグでは販売が難しい、古い型のデザイナーブランドのアイテムも扱う。

 5月19日、ららぽーと横浜に1号店を開いた。同館を選んだのは「ラグタグが弱い郊外かつ、感度の高い客も多い地域。トライアルに最適だ」(飯髙ディレクター)との理由からだ。初日から若者以外に、50代以上の客の購入も目立ち、手ごたえがあったという。

 売り場は「アメリカンカジュアル」「スポーツ・アウトドア」など、テイストごとに分けており、ブランドベースで分けるラグタグよりも、分かりやすく見せている。円形の大型ラックを塊で配置することで、古着屋らしい〝宝探し〟感も演出する。

ラックを塊で配置して〝宝探し感〟を演出

 スタイリング力が求められるボディーを置かず、打ち出したいアイテムは天井からつるして見せる形式にし、売り場作りが属人的にならない工夫も特徴だ。

ボディーの代わりに天井から打ち出し商品をつるして見せる

 出店計画は3年間で7店。次の出店は6月に、ららぽーと新三郷(埼玉県)を予定している。客の反応を精査し、買い取りスタッフを育成しながら少しずつ拡大していくという。

 飯髙ディレクターは今後について、「都心と大都市はラグタグ、郊外はユーズボウルですみ分けしながら商圏を広げる。最終的にはユーズボウルの店舗数が多くなる計画だ」とし、「リサイクルショップではなく、ファッション性の高い古着ショップとしてブランディングしていきたい」と語った。



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