東京・幡ヶ谷にレンタルオフィスとシェアラウンジの複合施設「ザステップス」(運営はリアルゲイト)が開業する。入居開始は11月の予定。1階にはアパレルブランドの展示会などで実績がある、ナチュラルワイン主力のケータリング「ヘベレケ」のワインショップが入る。新宿、渋谷の近隣ながら抑えめの賃料のため、若手クリエイターなどが集う新たなランドマークになりそうだ。
(高塩夏彦)
リアルゲイトは都心部を中心に100以上のオフィスの企画・運営をしている。古い建物をリノベーションした、デザイン性の高いオフィスを得意とする。
京王線幡ヶ谷駅の周辺は近年、近隣の一等地で働くクリエイティブ系などの職種の住民が増えており、高感度な飲食店や専門店の開業が相次ぐなど注目されている。ザステップスは、駅から徒歩5分ほどにある、築50年以上のビルを改装した施設だ。
大小24のオフィスを備えた7層。大きな窓で採光が良く、広い部屋はショールームにも向いている。

2~4階に備えたラウンジは、月額税込み2万2000円からのコワーキングプランを契約すれば、入居者でなくても使える。しゃれたタイルやアートで飾られた空間で、ウェブ会議用の小部屋や会議室も完備。都心を一望する開放的な屋上も利用できる。


入居開始に先駆け、10月28日、1階に「ヘベレケワインショップ」が開業した。渋谷の人気コーヒー店「セダイコーヒー」との協業で、昼はカフェ、夜はワインバーとしても楽しめる。

イタリア産ワインを中心に約200銘柄、1000本を揃え、今後さらに増やしていく。ヘベレケの戸梶由衣さんとコンドウタロウさんが厳選し、中には直接ワイナリーに足を運んで生産者とつながって取引を始めた物もある。中心価格は日常使いやギフトに適した、3000~6000円を想定する。

夜のつまみも、2人の地元の菓子や、日々の食べ歩きで出合った名店の料理などを仕入れて販売する予定だ。「ただ売るだけでなく、人と商品、その背景を紹介してつなげる場にする」とコンドウさん。
カフェではセダイコーヒーオリジナルの焙煎(ばいせん)のほか、ニュージーランド発の「オールプレス・エスプレッソ」の豆によるコーヒーを提供する。
施設の敷地内には別棟があり、26年1月にホテルとして開業する予定だ。メゾネット式で洗濯機やキッチンも備える。長期滞在するインバウンド客などへアピールしていく考え。

