コロナ禍は過ぎつつあるものの、インフレや終わらない戦争など先行きへの不透明感は根強い。そうした中で、秋冬素材には手仕事感や起毛などでぬくもりを感じられる生地の提案が目立った。花や木といった身近な自然のモチーフ、立体的な表面感への引き合いも続いている。
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加工を組み合わせ
手仕事感のある刺繡やレースでは、加工の組み合わせなどで立体的に見せた生地が目を引いた。フェデリコ・アスペジは、ローゲージニットにスパンデックスで刺繍を施し、あとからシュリンクさせドット状の柄を立体的に表現。ぬくもりのあるニットに仕上がった。
刺繍・レースのソルスティスは、ラメ色のレースと刺繍を組み合わせ、クラフト感のある光沢を出した。ベースとなるラメ糸を用いたリバーレースは200年以上も昔の機械を使ったもので、その上から全面を覆うように意匠糸で幾何学模様の刺繍を施した。
ドンテル・アンドレ・ロードのインディゴレースは、「娘がジーンズ好きで思いついた」もの。インディゴカラーの生地にインディゴ染めしたレースを貼り付けたが、耐久性を確保するのに8カ月かかったという。更にその上からレーザーを当て、部分的に色を抜くことで重層的で複雑な柄を見せた。
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