【オーガニックコットン】環境に優しい生産プロセス
エコ素材の代表的な素材として知られるオーガニックコットン(OC)は、農薬を3年以上使用していない土地で作られ、有機肥料を使用、遺伝子組み換えの種子を使わず、収穫の際にも落葉剤などを使用しないなど、地球環境や労働環境を守るための取り組みがなされた綿花のことだ。
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綿花そのものが健康にいい綿花かどうかといった話ではなく、生産プロセスにおいて環境に優しい素材である。一目見ただけで、それがOCか一般的な製法で作られた綿花かを見分けることはできない。そのため、認証する様々な機関、団体が存在する。OCを使用した製品までを認証する場合もあり、その際には染色など加工工程においても、環境に配慮した製法であるかどうかがチェックされる。糸として市場に流通する際には一般的な綿花とOCを混ぜて使用するケースがあり、それを認めない団体もある。
生産量は、NPO(非営利組織)テキスタイル・エクスチェンジによると15~16綿花年度(8~7月)で10万8000トン。これは08~09年度の17万5000トンから大きく減少しており、作業量が通常の綿花に比べて大きいことや、認証コストの負担、ベターコットンイニシアチブなどそのほかのサステイナビリティー(持続可能性)を意識するコットンとの競合が要因と見られる。
現在では衣料品やタオル、靴下など様々な製品に採用されており、国内外でOCを使用した糸が作られている。国内紡績では大正紡績がその先駆けと言えるだろう。最近では新内外綿が国内生産綿糸の全量をOC1%混に変更するなど、環境への取り組みの一環として採用するケースも出てきた。
商社では、豊島の「オーガビッツ」やヤギの「アシャオーガニック」などブランディングに取り組むところもある。伊藤忠商事が手掛けるプレオーガニックコットンは、3年以上というOCへの移行期間の間に収穫される綿花だ。様々な形でOCを普及しようという動きが出てきている。

(繊研新聞本紙9月14日付)