国際宇宙ステーションへの搭載が決まったインナーウェア
ソニーグループの稲のもみ殻を原料にした多孔質カーボン素材「トリポーラス」を活用し、スタイレム瀧定大阪が作ったインナーウェアがISS（国際宇宙ステーション）に24年以降、搭載されることが決まった。今後、消費者向けの販売も予定する。
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これまでスタイレムはソニーと協業し、トリポーラスを使ったウェアやホームテキスタイルなどを開発してきた。その中でJAXA（宇宙航空研究開発機構）の「第2回宇宙生活／地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」に、トリポーラスを繊維の衣類や生活用品「トリポーラス:スペースQOLシリーズ」で応募した。JAXAの審査を経て22年7月、同シリーズのリラクシングウェアがISSに搭載可能と判断され、今年の古川聡宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションでISSに搭載された。今回、インナーウェアが新たに24年以降ISSに搭載される。
ISSへの搭載が決まったTシャツとボクサーパンツは、「快適さ、心地よさ、清潔さ」をキーワードに開発した。繊維企業の知見や技術が詰まっている。トリポーラス繊維を使った同製品には、消臭・抗菌効果があるため、ウェアを清潔に保ち、繰り返し着用できる。コットンの一部にはクラボウの繊維アップサイクルシステム「ループラス」の原糸を使った。製造工程で発生した端材を再資源化したコットンだ。
インナーウェアの製造ではグンゼが携わった。グンゼ独自の製法「カットオフ」を取り入れて生地端を切りっぱなし仕様にした。身頃は丸胴仕様で縫製部分はフラットシーマーを採用、ミシンの縫い目が肌にあたるストレスを極限まで軽減している。
