靴のスティーブ・マデン、2日続けて買収を発表

2019/08/15 06:26 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】靴の製造卸・小売業でライセンスビジネスも幅広く展開しているスティーブ・マデン(ニューヨーク)が12日と13日、2日続けて買収を発表した。7月末に発表した4~6月期も、2ケタ台の増収増益を記録した。しかも卸売りが売上高の大方を占め、卸売りの方が直営店とEコマースより伸び率が高いという、最近ではまれなケースとなっている。

 12日はグレイト・ブランズ・インクの買収を完了したと発表した。グレイト・ブランズ・インクは14年にブルックリンで創業し、「グレイツ」のブランド名で展開している。イタリア製のミニマルでタイムレスなデザインのシューズで知られる。オンライン販売でスタートし、ニューヨークのソーホーに直営店も持つ。今年6月30日締めの年商は約1300万ドルだった。

 スティーブ・マデンの創業者でクリエイティブ&デザインチーフのスティーブ・マデン氏は、「スティーブ・マデンを始めて30年近くなるが、こんなにエキサイティングな好機に出会うことはなかなかない。ライアン(グレイツの創業者兼CEO=最高経営責任者)の靴は、自分が出会ったすべてのミレニアルズ世代の男性たちの間で話題になっている。彼は自分をすごくほうふつとさせる。これを大きく発展させるのが待ちきれない」と手放しで評価した。

 13日には、カリフォルニアを拠点とする婦人服ブランド「BBダコタ」の買収を完了したと発表した。BBダコタは05年に創業し、トレンドを取り入れた手頃な価格帯のカジュアルウェアで知られる。スティーブ・マデンとBBダコタの客層は共通しているだろう。BBダコタの今年6月30日締めの年商は約4300万ドルだった。スティーブ・マデンはBBダコタの買収を通じて、アパレルを拡大していきたい考えだ。

 スティーブ・マデンの4~6月売上高は4億4500万ドル(前年同期比12.4%増)、純利益は3660万ドル(同13.0%増)だった。「スティーブ・マデン」ブランドは卸売りも直営店も国内外問わず好調で、ネット販売も非常にうまくいっているという。販路別売上高は、卸売りが3億6350万ドル(同13.1%増)、直営店とEコマースは8150万ドル(9.69%増)だった。6月30日締めの時点で、直営店数は224(うち6店はインターネットストア)で、海外でも31店を展開している。



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