【センケンコミュニティー】増えてます!スポーツブランドの「海の家」 日本の浜辺におしゃれな外観
プールイベントが盛り上がる一方、ビーチでは大人のための落ち着いた雰囲気の海の家が増えています。目立つのはスポーツやアウトドアブランドが手がけるもの。今年新しくオープンした二つのビーチハウスを紹介します。
◆キャロウェイ
ゴルフをもっと身近に感じて 社内の士気向上も
白を基調にしたおしゃれな外観が際立つ「キャロウェイビーチハウス」
ゴルフブランド「キャロウェイ」を手掛けるキャロウェイアパレルは、7月21日から9月3日まで、神奈川・逗子海岸で海の家「キャロウェイビーチハウス」を営業している。店舗のデザイン監修と飲食運営は、グループ会社のプラックスが手掛ける。
店内から海を望むと南国にいるような感覚になる
屋上は全面グリーンを敷き詰めてあり、絶景を見ながらパターの練習ができる
ブランドの背景にサーフなど海の要素が無いのになぜビーチハウスか。この問いに、小野田剛社長は「ゴルフのあるライフスタイルを打ち出したかった」と答える。例えば、ゴルフ帰宅時に車内で繰り広げられる反省会を、逗子海岸の海風や波音、夕日、食事、お酒を楽しみながらビーチハウスでしてもらうことで、「ゴルフをもっと身近なものに、生活の一部と捉えてもらえるはず」という。
店内では同店限定のオリジナルグッズも購入できる
店内は実際に反省会に活用できるよう、1組ごとカーテンで仕切られる作りにした。店内奥にはプロジェクターを設置し、ゴルフ場で撮影した動画の観賞も可能だ。入り口脇と屋上にはパターコーナーを設け、客がストロークの練習に励めるようにした。また近くの「鎌倉パブリックゴルフ場」とも連携し、ホームページなどを通じビーチハウスの存在を知らせ、ゴルファーの利用も促している。
海の家の開業は、社内の士気向上を図る狙いもある。そもそも同社は昨年7月に、TSIグルーヴアンドスポーツと米キャロウェイゴルフカンパニーの日本法人、キャロウェイゴルフの共同出資会社として設立された。大企業同士の合弁のため、設立前は膨大な業務に追われ、その結果「スタート時は社内にやりきった感が出てしまった」。そこで海の家を作り、本社勤務の全従業員が運営にかかわることで「社内に刺激を与え、モチベーションを高める」という。
◆ヘリーハンセン
手ぶらBBQやイベント多彩に
海の家らしくないおしゃれな外観が目を引く。有料のシャワールームやコインロッカーも備える
物販スペース(右)と飲食を提供するカウンター。休日は注文待ちの客が列を作ることも
「落ち着いた雰囲気でゆったりビーチを楽しみたい」という人たちが集う神奈川・葉山の一色海岸に、不動産のFMGとゴールドウインのアウトドアブランド「ヘリーハンセン」が協業で海の家「ザ・セイルハウス」を開いた。8月31日まで。飲食提供だけでなく、ヘリーハンセンの商品の販売やライフジャケットを無料で貸し出している。
無料で貸し出すライフジャケットは子供用もある
FMGは不動産事業以外に、東京・千駄ヶ谷でハンバーガーショップなど飲食店も運営している。海の家の開設は初めてだが、2年前から構想していて、今夏ようやく実現した。「普通ではない、コンセプトが明確な海の家を」と趣向を凝らす中、ヘリーハンセンと思惑が一致し、協業が決まった。
屋上からの開放的な景色
そんなザ・セイルハウスのコンセプトは、〝ヨットハーバー〟。スタッフが着用する前掛けや屋根には、ヘリーハンセンがプロデュースしたリサイクルセイルを使用している。テーブルやひな壇のような休憩スペースでは、海を眺めながら飲食ができる。カキなどの魚介や地元で採れた野菜を中心としたメニューのほか、手ぶらで楽しめるバーベキュー(BBQ)プラン(予約)もある。ワークショップなどのイベントも開いており、8月は朝ランニングやカヌークルーズ、ビーチヨガなどを行う。
「ヘリーハンセン」の商品が並ぶ物販スペース
物販コーナーでは、ザ・セイルハウスとヘリーハンセンの協業Tシャツ(4200円)、キャップ(3900円)などの限定商品のほか、水着やラッシュガードなどの通常商品も販売している。7月7日の開設以降、物販売り上げは少しずつ伸びており、「最も売れた日で5万円近い売り上げになった」という。海に来る男女グループや家族連れだけでなく、ブランドのファンが訪れることもあるという。
FMGは「来年以降も海の家を開設する計画」という。ヘリーハンセンとの協業も継続したい考えだ。