新店を出すことは、新規客の獲得はもちろん、ECやSNSでつながっているファンをさらに楽しませるための重要な戦略だ。新しい切り口で同一都市に開設、新しい商圏で自店の強みを発揮するケースなど、屋号は同じでもパターンは様々。だが、その実現や成長にはやはり人材が大きなカギを握る。人材を生かし、意欲的な動きを見せるメンズセレクトショップを追った。
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カセドラル 大阪・本町に路面店
若い人材を登用、進化し続ける
大阪・梅田のメンズセレクトショップ「カセドラル」は10月、大阪・本町にカセドラル本町店を開いた。20代半ばの社員にバイイングを任せ、「変化を絶やさず、進化し続けること」(谷勇紀オーパスジャパン代表)をテーマにした路面店だ。現状は梅田店と同じ商品が約7割を占めるが、「これから独自のセレクトが増え、扱いブランドも変わり続けていく」店になる。
カセドラルは、突出したプロダクトを持つデザイナーやファクトリーのアイテムを厳選した店として08年にスタート。扱いブランドを一緒に育てる感覚を重視している。コロナを機にSNSで客のイマジネーションが膨らむような発信にも力を入れ、ファンをさらに増やした。「服をもっと楽しめるきっかけになれば」と、オリジナル商品で独自のアプローチも出す。

売り上げは順調に推移しているが、「10年以上先を見据えた時に、同じ感覚で若いクリエイターと相対することができるだろうか」と考え、若手の成長にもつながる店作りに着手した。
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