スノーピーク(山井太社長CEO=最高経営責任者)は釣り具主力メーカーのティムコ(東京)、アウトドア・フィッシング専門店「ワイルドワン」を運営するカンセキ(宇都宮市)と共同で、キャンプとフライフィッシングを合わせた新しい市場を開拓する。それぞれの分野の草分けが組み、秋にワイルドワンのデックス東京ビーチ店内にスノーピークストアを開くのを皮切りに、事業を推し進める。
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スノーピークは4月にティムコと資本業務提携し、製品の相互販売や共同での商品開発、キャンプ場の開発などの内容で合意している。ワイルドワンは両社の有力卸し先で、共同事業につながった。山井社長は、「ティムコはフライ、ワイルドワンは本格的なアウトドア店のそれぞれ先駆けで、専門性も高くブランド力がある。市場を切り開いてきた3社が手を組むことで新しいアウトドアのスタイル提案ができるはず」と話す。
まず、各社の選抜メンバー各15人が参加する1泊2日のインナーキャンプを6月に行う。互いの歴史やカルチャーを共有し、事業を円滑に進める狙い。年齢・キャリアや職種も様々になる模様で、「多様な参加者が議論することで新しいアイデアが生まれることを期待できるのでは」(長谷川静夫カンセキ会長)。秋にはユーザーを招いたキャンプイベントも開く。
ワイルドワンのデックス東京店の売り場面積は約1300平方メートルで、うち約100平方メートルがスノーピークストアになる。詳細は今後詰めるが、「3社のリソースを束ねたコンテンツを出す予定」(山井社長)。インナーキャンプの成果を踏まえ、共同の製品開発やワイルドワン限定品の販売なども進みそうだ。
今回の共同事業は、フライフィッシング人口の裾野を広げる目的もある。酒井誠一ティムコ社長は、「日本では敷居が高いと思われているが、キャンプとつなげられる釣りはフライだけ。自然の生態系も学べるすばらしいアクティビティーなので、魅力を広く伝えたい」と話す。キャンプとフィッシングができるフィールドも開発する予定。