シマプロ&K. 盲導犬の理解促進へ 手刺繍の籠バッグを無償貸し出し

2025/10/10 15:00 更新NEW!


盲導犬と視覚障害者が入店を断られない社会を目指したい思いから制作した

 籠バッグ生産・販売のシマプロ&K.(東京)は、公益社団法人ACジャパンが支援する盲導犬普及キャンペーンに合わせ、盲導犬のモチーフを手刺繍した籠バッグを制作した。キャンペーンに賛同する小売店や企業に無償で貸し出しを行い、バッグを通じて盲導犬への理解促進を図る。

【関連記事】《トップに聞く》シマプロ&K.代表 嶋田広行氏 生産する職人に光を当てる

 嶋田広行代表は「盲導犬と視覚障害者が入店を断られない社会を目指したい」と話す。「盲導犬自体が少なく、実際に街で出会うことはほとんどない」ため、身近なバッグで盲導犬に関心を持てるよう考えた。

 籠バッグは盲導犬の写真をイラスト化し、そのイラストをもとに職人が手刺繍している。同社が提携するタイ・パッタルン村の工房で生産した。犬の表情や感情を豊かに表現するため、糸の色数を増やして刺繍の濃淡に深みを出した。

 キャンペーンに賛同する店舗や施設、企業などにバッグと公式ポスターをセットにして貸し出している。西東京市の鍼灸(しんきゅう)院は「少しでも多くの人の目にとまり盲導犬を知るきっかけになれば」と参加。家庭で余った食品を福祉施設や支援団体に寄付するフードドライブと連動してバッグを活用している。「以前より食品が集まりやすくなり、盲導犬の話題にもなる」と効果を話す。そのほか、シマプロ&K.の顧客も協力者を募るなど、啓発の輪を広げている。

 嶋田代表が盲導犬に着目したきっかけは、24年のニュースだった。災害救助犬が山で行方不明になった高齢女性を助けたという報道を機に、「人間のために働く犬」の存在を知ったという。公益財団法人日本盲導犬協会ヘアプローチし、支援団体として登録。提携するタイの刺繍職人は犬の刺繍が得意のため、盲導犬のイラストを刺繍した籠バッグの企画を構想。今年8月に盲導犬の画像を借り、刺繍にする契約を結んだ。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事