今年初の連載になる今回は、19年のトレンド予測について紹介します。渋谷109館内で独自調査を行い、このほど発表した「シブヤ109ラボ・トレンド予測2019」の中から、アーティストとユーチューバーをピックアップしました。
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国籍や性別を越えて
元号も変わり、新しい時代の始まりでもある19年。アラウンド20の間では、どんなものがトレンドとなるのでしょうか? きっと今年も若者のトレンドは目まぐるしく変化していくことでしょう。18年を振り返ると、トレンドはインスタグラムやユーチューブを中心に生まれており、また短編動画共有アプリの「ティックトック」(TikTok)やインターネットテレビ局「アベマTV」のコンテンツも大きな話題となりました。
昨年アラウンド20の間でトレンドとなったコンテンツの共通点は、「親近感」と「応援したくなること」。今年はこの二つの必須要素に加え、「ダイバーシティー」がキーワードとなりそうです。
アーティスト、ユーチューバーともに、国籍や性別を超えた多様性あふれるグループも多く登場しています。アラウンド20はこれらの「ちがい」を「個性」として捉えており、彼らの生み出すエンターテインメントに注目しています。
様々な発信の工夫
まず「アーティスト部門」では、男性アイドルグループ「NCT」(エヌシーティー)や女性アイドルグループの「IZ*ONE」(アイズワン)など、1グループに様々な国籍のメンバーが在籍する「グローバルグループ」が活躍の予感。
アーティストたちもアラウンド20からの「親近感」を得るために、様々な発信の工夫をしています。例えば、ジャニーズの6人組男性アイドルグループである「SixTONES」(ストーンズ)は、ユーチューブを活用して活動を発信。ライブ映像だけでなく、様々な企画に挑戦している動画も配信しており、今までなかなか見ることができなかった彼らの舞台裏の様子がチェックできることも人気の理由の一つです。
また、IZ*ONEは、韓国のオーディション番組の合格者で構成する日韓合同のグローバルガールズグループですが、正式なメンバーが決まる以前の厳しい審査の時から注目されていました。
アラウンド20たちは、舞台の裏側での彼ら・彼女らの「素顔」や「頑張っている姿」に親近感を感じ、さらには「応援したい!」という気持ちにつながっているのです。
次に「ユーチューバー部門」です。ユーチューブは、アラウンド20の「自宅での暇つぶしの場」となっており、毎日視聴しているという声も少なくありません。最近では眠りにつくまで再生する「寝落ち動画」という言葉まで聞くようになりました。身近な存在であるユーチューバーは、彼ら・彼女たちのトレンドの中心であり、親しみ深い存在です。
18年は、元気で勢いのあるユーチューバーが人気でしたが、19年は少しテイストが異なり、〝和気あいあいさ〟と〝ユニセックス〟がキーワードとなっています。
トレンド予測ランキングの中には、男女2人組の「パオパオチャンネル」や、男性美容系の車谷せなさん、多様性あふれる男女4人組「ヘンジンマジメ」などがランクイン。性別の垣根を越えたユーチューバーが注目されそうです。
様々な個性を持つユーチューバーたちの影響もあってか、アラウンド20の「多様な人間関係」に対する許容範囲も広がっているように感じます。