先週グランドオープンした渋谷パルコでは、実店舗の購買体験を高める新デジタルツールが数多く導入された。パルコが11ブランドと協業した5階のオムニチャネル対応売り場「パルコキューブ」は、通路に75インチ4面を合わせた大型ディスプレーを導入。選んだお気に入り商品が客のスマートフォンに簡単かつスピーディーに取り込まれ、オン・オフをよりシームレスに行き来できる環境を整えた。
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各フロアのテナントでも客が店で残す質問や要望に応えるデジタル機器を導入。ECだけでなく、実店舗でも客の嗜好(しこう)・行動・購買データを取得し、店内体験をどうやってより良いものにするか、オムニチャネルの先の店頭販売が見据えられつつある。
■データ取得して未来変革
パルコキューブは「リアル店でデジタルを融合し、欲しいと思える商品と出会い、接客までの購買体験価値を高める」のが狙い。その目的に沿って、フロア通路には数人が操作できる大型ディスプレーが設けられ、各店の販売商品をディスプレーで閲覧できる環境を整えた。
大型ディスプレーでは「カテゴリー」「カラー」「ブランド」の三つから商品が検索でき、QRコードをカメラで読むと、客のスマートフォンとWi-Fiでつながり、スマホにお気に入り商品データがその場で素早く送られ、客にとって簡便なツールとなっている。スマホ画面から表示された商品は、パルコオンラインストアで買える。各店の自社EC在庫をAPIでリアルタイム連携する。