アパレルOEMを個人で受託する芝田美梨さん インドの縫製工場と日本をつなぐ

2026/09/16 11:30 更新NEW!


芝田美梨さん

 インドの縫製工場と共に、手仕事を生かしたアパレルOEM(相手先ブランドによる生産)を個人事業主として日本で受託している02年生まれの芝田美梨さん。持ち前の行動力を生かして、インドで服を作りたい日本の個人や企業との仲介役として、受注を取っている。

(藤本祥子)

縫製工場を支援

 高校生の時から、アパレル業界が抱える社会問題について関心があった。大学生の頃には、カンボジアとバングラデシュで開かれたスタディーツアーに参加したこともある。事業のきっかけとなったのは、アパレルブランド「ツリー&ムーン」が様々な支援をしていたインド南部タミル・ナードゥ州にある縫製工場「センター・フォー・ホープ」の「オーダーが無くて困っている」という趣旨のSNS投稿が目に留まったこと。工場長は、20代の頃にNGO(非政府組織)を立ち上げて放課後教室や縫製技術を教える機会を作るなど子供と女性の支援をしてきた人だという。

 「1000人くらいなら支援は厳しいけれど、10人ほどの規模の工場だったらもしかしたら何かできるかも」と、すぐに同工場と連絡を取って、1、2週間後には現地に行った。25年2月から、OEMの受託事業を始めている。

 同工場は、これまで縫製した経験のないアイテムでも受注して、少しずつ技術を向上させている。「ジャンル問わず縫うが、多いのはワンピース」。「日本の製品基準を満たさないアイテムが出来上がることもあるが、今から頑張っていこうとしている工場なので、反省や改善の意欲が高い」と芝田さんは話す。手刺繍も受けている。

小ロットでも受注

 1型20枚からの小ロットで対応しており、基本的にインド調達の綿の布帛生地を使い、ボタンやゴムなどの副資材は取引先が各自で手配している場合がほとんど。現在は「個人でインスタグラムを活用して販売している人や、女性支援をしたいという人」など、5、6件ほどの取引がある。話を進めている案件があり、さらに増える見込み。「日本で生産してきたが、インド生産に移したい」などの声もある。

ブロックプリントやオーガニックコットンなどインドならではの生地で作るOEMの製品サンプル

 工場に縫製が苦手なメンバーもいるため、別の事業としてリサイクルペーパーも作っている。コットンの端切れや現地の子供たちが使い終わったノートをちぎって、水で手すきして乾かしてできるもの。名刺やショップカード、服のタグなどでの受注が可能。「アパレルでオーダーしてくださった方が、タグも注文してくれることがある」とのこと。

 「素人から服を作るのはなかなか難しい。本物になろうと大阪にあるOEM会社や縫製工場を訪問して、縫製に関することを教えてもらっている」と芝田さん。今後は、工場の技術特性に合ったデザインを採用して販売までできるように、同工場とともにオリジナルブランドの立ち上げを進めている。インド特有の生地を使ったアイテムを考えている。将来的には、法人化して年商1億円を目指す。そのための事業構築にも力を入れているところだ。

オリジナルブランドでの販売を考えているキャミワンピースのサンプル


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