イタリア製のラグジュアリーシューズ「セルジオ・ロッシ」が好調だ。アイコニックスタイルの「sr1」(エスアールワン)のスリッパなどヒットモデルを作り上げ、この数年、コロナ禍でも力強く成長する。今秋は、日本人のクリエイターと初の協業に取り組んだ。来日したリカルド・シュットCEO(最高経営責任者)も商業施設で開いた催事販売で来店客とコミュニケーションを図った。
(聞き手・須田渉美)
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エスアールワンを立ち上げたのは6年ほど前ですが、特徴あるデザインがニューウェーブとなって注目を集め、ブランドを大きく発展させました。世界的には不安定な情勢が続いていますが、今年もセールスはほぼ全ての国で伸びています。なかでも日本は2ケタ増を続けており、私たちにとって重要な市場です。経済や消費は来年、もっと難しい状況になると思いますが、今こうして多くの人に支持されている強みを活用し、柔軟性を持って投資するべき時期と捉えています。
この秋は、エスアールワンを生かし、日本限定でイラストレーターのショウゴセキネと協業するカプセルコレクションに取り組みました。ローカルのクリエイターと協業することは、異なる要素を取り込み、ブランドの可能性を広げる意味のあることです。実際、イラストが上がってきて、イタリアのデザインチームでは、凹凸を出した方がよりプレイフルに見えると考え、新しいデザイン手法を生み出すきっかけになりました。
9月のミラノ・ファッションウィークでは、今年からアーティスティックディレクターに就いたエヴァンジェリー・スミルニォタキのアイデアが反映され、今まで以上にインパクトのあるコレクションを発表することが出来ました。とても評判が良かった。エネルギーを感じさせる力強さもありながら、女性らしいセンシュアルな魅力を持った〝ニューフェミニン〟を新しいイメージとしていきたい。