セルジオ・ロッシ氏、死去

2020/04/04 11:16 更新


 【ミラノ=高橋恵通信員】「セルジオ・ロッシ」創業者のセルジオ・ロッシ氏が3日、エミリア・ロマーニャ州チェゼーナ市の病院で死去した。85歳だった。伊のアンサ通信によると、同氏は新型コロナ肺炎に罹患し、数日前から入院していた。地元サン・マウロ・パスコリの市長の呼びかけで5日、市民が同氏を追悼する。

 セルジオ・ロッシ氏は、靴職人だった父から職人技を受け継いだ。50年代に同州サン・マウロ・パスコリ市で靴製造を開始。68年に「セルジオ・ロッシ」ブランドをスタートし、伊屈指の靴産地の形成をけん引していった。「ドルチェ&ガッバーナ」「ヴェルサーチェ」など、ラグジュアリーブランドの製造も手掛けた。99年にグッチ・グループ(当時)に会社の株式の7割を、05年には全てを売却した。

 長男のジャンヴィト・ロッシは06年、ブランド「ジャンヴィト・ロッシ」を設立。父親から靴作りへの情熱と職人技を受け継ぎ「フェミニンかつ履きやすい靴」を作り続けている。

 会社売却後も、セルジオ氏の靴への愛情は尽きることはなかった。靴作りの教育で知られる地元のファッションスクール「チェルカル」校長を務めるなど後進の指導にもあたった。工場などにもしばしば足を運び、晩年まで靴に囲まれ、靴を愛した。

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