繊維育英会「ウィゾール」 パリ・フーズネクスト初出展に反響

2023/09/20 06:26 更新


資源循環型プロジェクト「ウィゾール」で初出展した

 【パリ=松井孝予通信員】ファッションからライフスタイルを網羅するパリの合同展示会フーズネクスト(9月2~4日)に、一般社団法人繊維育英会が資源循環型プロジェクト「ウィゾール」で初出展した。ブースを出したのは同展の中の一つでエコレスポンシブル(環境に責任ある)ファッションに特化した「インパクト」展。

【関連記事】進む衣料品の回収 繊維育英会、昨年20万着回収し今年は50万着へ

 同プロジェクトは現在、回収した衣料品を日本の工場で再生糸、繊維リサイクルボード、再生紙のトリプルサーキュラー(循環)を展開し、国内で取引先や賛同企業数を増やしながら軌道に乗せている。インパクトへの出展は、「世界中の廃棄衣料品を日本でリサイクルし、再度世界へ出荷、この循環を延々と繰り返していく」(財間宣彰副理事長)ことを目的に掲げる。

 年会費をゾーンごとに設定し、通常よりカーボン排出量を84%削減するバイオ燃料の海運コンテナで回収品を運ぶ。リサイクル素材の製造工程における環境負荷軽減についても、企業を納得させる科学的データを揃えている。日本が持つノウハウと高度な技術で、糸はもとよりアート感覚のボードへの関心が高まっている。会場ではそのボードを使用したインテリアを展示し、注目を集めた。

 欧州の資源循環開発は国によって大きな格差があり、日本発ウィゾールのインパクトへの出展は、海外市場の潜在性に期待を掛ける第一歩となった。

関連キーワードサステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事