今年の国内SC開業数、3施設減の33 都心盛況も全体は鈍化

2023/08/07 06:26 更新


 日本ショッピングセンター協会(SC協会)は、23年上半期(1~6月)に国内で開業したSCと下期開業予定SCを公表した。それによると、上期の開業数は前年同期比1施設減の18施設で、年間でも昨年より3施設減って、33施設となる見通しだ。都心での大型複合施設の開発は相次ぐものの、全体として開発の鈍化傾向が続いている。

 上期は4月にイオンモール豊川(店舗面積6万3000平方メートル)、ららぽーと門真と三井アウトレットパーク大阪門真の複合施設(6万6000平方メートル)、イオンモールのジアウトレット湘南平塚(3万3000平方メートル)が開業するなど大手ディベロッパーによる大型SCの開発は相次いだ。大型複合施設では三井不動産が3月に東京駅前に東京ミッドタウン八重洲(5500平方メートル)を開業し、話題を呼んだ。ただし、上期に開業した18施設のうち、12施設の店舗面積が1万平方メートル未満で、平均店舗面積は1万6919平方メートル(前年同期は1万7566平方メートル)に縮小した。

 下期は東京都心で大型複合施設の開発が相次ぐ。東急不動産が11月に渋谷駅桜丘口地区に「シブヤ・サクラ・ステージ」(約1万5200平方メートル)、森ビルが秋に港区に麻布台ヒルズ(約2万4000平方メートル)を開業する。森ビルは10月6日に虎ノ門ヒルズステーションタワー(1万4400平方メートル、店舗数は約70店)を開業するが、大半の店舗が飲食、サービスで、SC協会が規定するSCの基準を満たさないため、下期の開業数には入っていない。

 引き続き、百貨店やGMS(総合小売業)などを業態転換したり、それらの跡地を再開発した施設も目立つ。東神開発と高島屋は10月17日に高島屋京都店と新設の専門店ゾーンを一体化した京都高島屋SC(約6万5000平方メートル)、東急不動産などが20年5月に閉館した札幌市の商業施設、ススキノラフィラ跡地にココノススキノ(6185平方メートル)、イオンモールが横浜駅西口のダイエー跡地にイオンモール横浜西口(約2万平方メートル)を秋に出す。



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