東北地方で4代にわたり糸の製造を続ける佐藤繊維。曽祖父が創業、祖父の代で手紡ぎのウール糸製造、父の代でニット用糸の自社工場の設立と、脈々と続いてきた物作りの精神を受け継ぐ現社長の佐藤正樹氏。原価抑制のための大量生産、コロナ禍などの逆風を受けつつも世界を見据えた日本の物作りを実践する。
(原田郁未)
かつて日本の紡績は欧州の紡績を見習い、世界を席巻しました。今や欧州も中国に糸作りを委ねるようになり、良質の糸を作る紡績が減りました。私自身、イタリアの展示会を訪れたときに衝撃を受けましたが、そこで学んだのは手法ではなく「良いと思うもの」を発信していく姿勢です。なので、自分たちはトレンドを意識せず、あえて古い機械で丁寧な物作りにこだわった国内生産を続けました。
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