三共生興は、レディス「レオナール」と英国発「ダックス」の2ブランドを武器に、アジア中心に世界戦略を加速する。7月19日に仏レオナールファッション(レオナール社)の全株式を取得し、三共生興の井ノ上明社長がCEO(最高経営責任者)に就いた。これにより「日本、韓国など一部にとどまっていたアジアでの拡大、日本でのライセンスビジネスの充実などを進める」(井ノ上社長)。応用するのが、91年に買収して中国などアジアで拡大するダックスで得たノウハウだ。
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三共生興は71年からレオナールを独占輸入販売し、日本と台湾では日本製のライセンス製品を独占的に製造・販売する権利を取得するなど長年良好な関係を続けてきた。約10年前からレオナール買収の話はあったが、「価格面で大きな隔たりがあった」(井ノ上社長)。しかしコロナ禍でレオナール社が赤字転落し、交渉が再開。価格で折り合い、買収が実現した。