19~20秋冬コレの見所は?

2019/02/19 00:00 更新


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 ニューヨークから19~20年秋冬のコレクション・サーキットが始まった。ここ数年、転換期だと言われ小さな変化の芽をみせてはいるものの、大きな潮流を生み出すまでには至らなかったが、今シーズンは果たして—。

 ニューヨーク出発直前の小笠原拓郎編集委員と青木規子記者に今シーズンの見どころを話してもらった。


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小笠原 前回が、ストリートからエレガンスへと大きく転換したシーズンなので、それがこの先、どう深まっていくのか、これがポイント。ビッグシルエットに関しては、この間のクチュール見たらまだ少し残っていたけど…。

青木 ボリュームはひと段落ですね。前シーズンは、肩をしっかりつくった洋服も増えましたし、エレガントな服作りに変わっていった。とはいえ、細いシルエットが主流というわけではない。綺麗なスーチングもあれば、かつてほどではないにせよ、量感を残した服もある。トレンドは一層多様化しそうですね。大き目のシルエットは着やすいという魅力もあるので一定、定着していくのではないでしょうか。実際、店頭で売れているのも、少し肩が落ちているものが多いですから。

―では、ニューヨーク。

小笠原 ニューヨークはちょっと元気が無くなっているからねえ。

青木 ラフ(・シモンズ)が手掛けていた「カルバン・クライン205W39NYC」はブランド自体をテコ入れ中。前回までニューヨークで最も注目されていたブランドがないのは、少しさみしいですね。

小笠原 (カルバン・クラインは)ブランディング自体に問題があったようにみえる。ラフを使ったけどどこを目指しているのかはっきりしなかった。インターナショナルに売っていくのかというと、どうもそう見えなかったし、少し無理があったように映る。ただ、ラフ以外のスタッフは残っているらしいので、彼らを使って今後どうやっていくんだろう。

青木 前回、パリからNYに戻ってきた「ロダルテ」は発表の場をロサンゼルスに移しましたし、「モンセ」もショーをしませんね。

小笠原 過渡期だね。そのなかで、どれだけ新しいのが出てくるのか、見てみたい。

ザ・ロウ(19-20秋冬)

―ロンドンは。

小笠原 ロンドンは見ておいた方がいいだろうね。いま、入れ替わりの時期で、かつてより見るべきものが減っていると言われてるんだけど、そういう時に新しい人たちが出てくるのがロンドンなんで。実際問題、1月のメンズを見た感じからすると、ミラノよりロンドンが面白いんじゃないか、そんな期待感はある。

 「チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ」ってのがいるんだけど、これが面白かったんだよな。個人的には一番面白かったかも。もちろん、ファッションは産業という側面もあるけど、自由なクリエーションが今必要だ、と言うことを思い起こさせてくれた。ファッションには産業的要素も要るのは当然だけど、同じくらいファンタジーが必要だし、ロンドンの若手はそれを持っているようにみえる。

青木 レディスではブランド数は前回並みだし、減っていない。でも、若手ばかりだからほとんど知らない笑。ただ、その中に光る原石を見つけることができるかもしれませんね。それと2シーズン目の「バーバリー」の動向も気になります。リカルド・ティッシの新しいクリエイションは、リカルドの強さも表現されているけれどいい具合に抑制が利いていて、DNAも受け継いでいる。幅広いタイプのバイヤーが評価しているのもわかります。次も注目ですね。

バーバリー(19-20秋冬)

―ミラノは。

青木 公式スケジュールは7日間ありますが、実質は5日間にぎゅっと凝縮されていて、ブランド数も減っています。ただ、ミラノには「ジル・サンダー」をはじめ、注目のブランドがいくつもある。ジル・サンダーは、日本のバイヤーが今一番注目するブランドです。過日バイヤーに聞いたデザイナーランキングでも1位でしたからね。

ジル・サンダー(19年春夏)

 「ボッテガ・ヴェネタ」も、新しいディレクターを迎えて初めてのショーだし、前回パリで行った「グッチ」も戻ってくる。「プラダ」も健在です。なので、5日間しかないけど、毎日盛り上がりがあるはず。大きな変化があるかと言えば、そうではありませんが詰まっています。

グッチ(19年春夏)
プラダ(19年春夏)

小笠原 ジル・サンダーはこのあいだ、新しいデュオになって初めてメンズを披露したけど、良かったよ。これまで、初期のジル・サンダーを思わせるラインしか出せていなかったのが、新しいのを出してきたので、この感じをレディスで出してきたら面白いかもしれないね。

青木 今のジル・サンダーって、(「セリーヌ」のデザイナーだった)フィービー・ファイロがいなくなった後、着る服がなくて困っていた女性が着たいと思うブランドなんです。それと同時にデザイナーがもともと持っているストリートのテイストもある。今を象徴する要素を二つ兼ね備えている点も高い評価につながっているのかな。

小笠原 まあ、わからんでもないけど、それは売る方の事情でしょう。本人たちは意識していないと思うよ。

青木 まあ、それが注目される背景です。ミラノの初日が楽しみです。

―ボッテガは。

小笠原 むしろ、ボッテガの方がセリーヌ・マーケットを意識しているのでは。

青木 そうですね。新しい銀座店もセリーヌ好きだった女性に響く雰囲気に仕上がってました。

―さて、最後はパリ。

青木 最大の見どころは2シーズン目のセリーヌがどんな見せ方をするのか、ですね。

―今度はメンズをやらない?

青木 前回の9月はファーストショーだったので、メンズ・レディスを見せましたけど、1月のメンズでメンズの単独ショーをやったので、レディスのみのショーになるかもですね。

小笠原 でも、まあ、前回セリーヌがあんな感じでエディ(・スリマン)がスタイルを変えなかったわけだから、じゃあ、彼がその前に居た「サンローラン」はどうするんだろうね、って話。今のサンローランはエディがつくったスタイルだから、セリーヌとサンローランがまた同じ雰囲気になるのか。前回そうだったけど、今回はエディの下に居たアンソニー・バカレロが「サンローラン」で、そのらしさを出していくのか。

セリーヌ(19年春夏)
サンローラン(19年春夏)

青木 今後の方向性が気になります。

小笠原 同じものが出てきたら、どっちかひとつでいいじゃんと言う評価をマーケットから食らうだろうからね。それが一つの注目するところではある。

青木 あと、ニコラ(・ジェスキエール)が自分のブランドを始めるというアナウンスがありましたが、小笠原さん、なんか聞いてます?今シーズン発表するかどうかは分かりませんが、ニコラの動向は気になります。

小笠原 この間、切れ味いいのは「(メゾン・)マルジェラ」なんで引き続き注目かな。クチュールでも見せたけど良かったよ。あとは「ヴァレンティノ」。クリエーション的には気になるところではある。やっぱ、あれなんだよな、ラグジュアリーブランドが次々とデザイナーを擁立して新しい時代を乗り切ろうとしているけれど、過渡期にあるんだろうね、この方向性のなさは。

続きは、現地からのレポートで。

小笠原拓郎編集委員
青木規子記者

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