ジーンズセレクトショップのライトオン(川﨑純平社長)は、売り場におけるジーンズの提案方法を改める。これまでは店内奥の壁面でコンパクトに畳んで積み上げることが多かったが、一目で形が分かりやすいように、低い平台什器に並べ、マネキンも多用する。
新型の売り場では1店当たりのジーンズの陳列量を、標準店に比べて50%削減し、ジーンズの魅力がより伝わりやすい売り場にする。少在庫・高回転を重視し、効率の良い店舗運営を目指す。
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新型の売り場は、6月末に沖縄県に開いたサンエー浦添西海岸パルコシティの「ライトオン」から始めた。全盛期に比べて厳しい状況にあるジーンズカジュアル業界は、「ジーンズをどのようにして売っていくか」が全体の課題となっている。同業界の最大手企業として、新たな試みに挑んだ。
同店は全てのジーンズを店内中央の平台什器に陳列している。トップは売り場の左右に配置した。ジーンズの扱いブランド数は標準店と遜色ないが、品番を厳選し、陳列量を半減した。期待度の高い品番の在庫に奥行きを持たせることで、1店当たりのボトムの売り上げ構成比率は、標準店と同等の30~40%を想定している。
店舗設計では地域性を重視した。全国の店舗で回収した古着のジーンズを再利用し、デニムシーサーや波を連想させるデニムウォールを設置している。
ライトオン業態は、沖縄県に9店を出している。近年は中国や台湾などからのインバウンド(訪日外国人)売上高が良く、沖縄全体が好調だ。新店も順調なスタートを切り、売り上げは計画通りに推移しているという。月坪売上高は県内トップクラスを目指している。
20年8月期の出店計画は約10。同店で培った成功例を今後の新店や既存店に波及させる。店舗設計にも投資し、ジーンズが魅力的に見える売り場を作り、店舗ごとの特色を出していく。