5月のファッション小売り商況(速報値、既存店売上高)は、外出機会の増加や気温の上昇で夏物の需要が活発だった。売れたのはTシャツやブラウス、サングラス、パラソル(晴雨兼用傘)などの盛夏アイテム。百貨店はラグジュアリーブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾品が前月を上回る伸び率を示し、円安を背景にインバウンド需要が過去最高となった。専門店は夏物が好調だったが、客数の増減で明暗が分かれた。
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百貨店 前月を上回る
婦人服は伊勢丹新宿本店が前年同月比28%増で、ジャケットやブラウスなど羽織るアイテムが好調、ラグジュアリーブランドやデザイナーブランドの高付加価値商品が押し上げた。阪急うめだ本店は「旅行や日常使いにも着られるドレスが好調だった」という。高島屋と大丸松坂屋百貨店は前年実績を上回り、「Tシャツ、ブラウスが堅調だった」(高島屋)、「ジャケットやスカートが良かった」(大丸松坂屋百貨店)と夏物の動きが本格化した。