米アウトドア専門店のREI 有色人種の起業家支援プログラムを開始

2021/11/05 16:30 更新


 米アウトドア専門店チェーンのREI(シアトル)が、アウトドア業界で起業し拡大しようとしている有色人種の起業家300人に計3000万ドルを投資する「パス・アヘッド・ベンチャーズ」を発足させた。黒人、先住民族、ラテン系、アジア系、アメリカ太平洋諸島民族の起業家たちがビジネスを早く確立できるように支援する。

 起業家たちが成功すればアウトドア業界自体が発展し、より包括的になり、すべての人々を歓迎するようになるという狙い。REIは何カ月にもわたり、何百人もの起業家、投資家、業界のリーダーたちと話し合い、①業界内でのネットワークづくり②商品開発力、サプライチェーンのネットワーク、配送、マーケティング、サステイナビリティ―(持続可能性)における技量を活用して起業家たちを手助けする③商品やサービスをテストするときにコミュニティーのメンバーや従業員などの協力を得られる④助成金や直接的投資などを得られる――の4点に焦点を当てた。

 起業しようとしている人たちのアイデアをビジネスモデルに落とし込む手助けや3カ月間のバーチャルコースなどを受けられる「エンバーク」プログラムは、現在最初の申し込みを11月28日まで受け付けている。既存の創業者が生産や配送、宣伝、ネットワーキングなど、事業拡大につながる手助けを受けられる「ナビゲート」プログラムは、22年にスタートする予定だ。

 REIによると、アウトドア業界の中で有色人種がオーナーのビジネスは1%しかない。既存の小売業者は、小さくて新しい会社が太刀打ちできないような方法で商品を手配していて、そのことが有色人種の起業家に不利益をもたらしている。REIは有色人種の起業家によるブランドを最低200、30年までに新たに導入する方針だ。それにより、有色人種の起業家によるブランドの売上高を10億ドル相当、総売上高の15%以上にすることを目標としている。

(ニューヨーク=杉本佳子通信員)



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