1911年8月7日は、アメリカの映画監督ニコラス・レイの生まれた日です。映画『理由なき反抗』は代表作といえるでしょう。
79年6月16日に世を去っていますから、67年の人生だったことになります。『理由なき反抗』は、ジェームス・ディーンにとって、実質上のデビュー作と言ってよいかもしれません。にもかかわらず、レイはディーンに自由に、思うままの演技をさせたという。劇中のジムと実際のディーンとが二重写しになって思えたからです。せりふまわしに至るまで、ニコラスは彼の意見を優先したと伝えられています。
「完全にその役割に叶っていることが第一の条件で、第二に偶然が、その役割を果たさせてくれなければならぬ。ジェームス・ディーンはその稀な成功の例であった。」三島由紀夫は、『夭折の資格に生きた男 ジェームス・ディーン現象』と題する文章の中で、そんな風に書いています。
『理由なき反抗』は1955年の映画。それはまた、世にTシャツをはやらせた映画でもあったのです。(服飾評論家・出石尚三)