若手デザイナー、土居哲也が手掛ける「リコール」は、渋谷パルコで開催された「シックスデザイナーズウィーク」で、アーカイブ商品の販売とともに、20~21年秋冬の新作を発表した。
リコールは昨年、東京都と繊維ファッション産学協議会が主催する「トーキョー・ファッション・アワード」を受賞。楽天ファッション・ウィーク東京2020秋冬でショーを予定していたが中止となったため、ランウェー用に準備していたアートピースとは異なる受注販売のコレクションを作り直した。
テーマは「リクラック」。土居が長年取り組んできたアップサイクルの手法を生かし、古着を解体してドッキングさせたりインサイドアウトの作りにしたりと「壊れる、はがれる、ずれる、ぼやけるといった経年変化の形を次のステージに持っていく」ことに取り組んだ。新たなアイテムで目を引いたのは、国内のニットメーカーと協業した「着る絨毯(じゅうたん)」。ペーズリーなど様々なモチーフを散りばめたオリジナル柄で、長方形のジャカードニットをポンチョ風にしている。店頭では男性モデルに3枚をずらして巻きつけ、ボリューミーに見せた。
「欧州のエレガンスとアメカジを掛け合わせたなかで、日本独特の美学を自分なりに追求した形を作っていきたい」と土居。