楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏は、ブランドそれぞれの強みをブラッシュアップする姿勢が目を引いた。テクスチャー、加工の手法、グラフィックモチーフなど、アイデンティティーをいかに明確にして、幅広い層とのコミュニケーションにつなげるかが、今のファッションビジネスのカギとなっている。
（小笠原拓郎、須田渉美、写真＝セブンバイセブン、ミーンズワイル、シュープは加茂ヒロユキ、ア・ベイシング・エイプは堀内智博）
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楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏でランウェーデビューをしたセブンバイセブン（川上淳也）は、ブランドの核ともいえるアメリカンカルチャーを背景にしたコレクションを見せた。アメリカの古着に精通する川上らしい、リメイクやハンドクラフトの技術を散りばめたアイテムが揃う。ネイティブアメリカンのラグのような柄にパッチワークしたリメイクデニムのトップ、ダイヤ柄のパッチワークパンツ、マッスルカ―を立体的な柄で描いたTシャツ。手仕事と古着を生かしたアイテムは、どこか不思議な存在感を放つ。
展示会で見せていた初期からやっていることはそれほど大きく変わっていないはずなのに、ショー映えするクリエイションとでも言えるのだろうか。ショーを機に改めて振り返ってみると、サステイナブル（持続可能な）やハンドクラフトなど、現代のファッショントレンドになくてはならない要素がしっかりとブランドコンセプトの核にあることが分かる。これから毎シーズン、ショーで見せ続けるとなると、デザインの展開方法など違うクリエイションが必要になるため、現実的ではないのかもしれない。しかし、ブランドの価値観をアピールするのに、たまにこういうショー形式で見せることも有効であろう。今ある店の品揃えの中に、セブンバイセブンのハンドクラフトやリメイクの商品をどう取り入れられるか。そんなことをイメージするのに有効だと感じたショー形式での見せ方だった。
