公正取引委員会は3月10日、東京地方裁判所に2月28日に申し立てた楽天の「共通の送料込みライン」(送料無料)施策導入の緊急停止命令を取り下げると発表した。 楽天が6日、18日から実施予定だった同施策を新型コロナウイルス感染の影響を考慮して出店事業者が自らの判断で参加するかどうかを判断できるようにすることなどを公表し、東京地裁での緊急停止命令に関する手続きでもその方針を表明したため。
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公取委は「出店事業者が一律に別途送料を収受しえないことになる」楽天の同施策について、独占禁止法の「優越的地位の濫用」にあたり、「(18日の施策実施後の)排除措置命令を待っていては、侵害された公正かつ自由な競争秩序が回復しがたい状況に陥る」として、緊急停止命令を申し立てた。今回の楽天の方針変更によって、「当面は一時停止を求める緊急性が薄れる」と判断し、取り下げることにした。ただし、「本件の違反被疑行為に対する審査は継続する」としている。