楽天は13日、19年12月期連結決算説明の会見を開き、3月18日から楽天市場で「3980円以上の購入で送料無料」を実行する方針について、三木谷浩史会長兼社長最高執行役員は「消費者に分かりやすいという観点で3980円にした。最安値を選んでも送料を含めると他より高額になった、というユーザーの不満を、出店社とともに解消したい。畑(市場)を大きくしないと先はない」と語った。
【関連記事】楽天 送料問題「法令上問題ない」も、調査に協力
出店社には「商品価格を拘束することは全くない。そこでの調整をお願いしている。消費者のための極めて優しい売り場を目指したい。ここで送料無料ラインを統一しないと、EC流通額4兆~6兆円まで伸びない」とも語った。また、退店検討店舗には、外部のECサイトを案内するとともに、出店料の払い戻しも行うとした。
楽天の19年12月期連結決算(IFRS)は、売上収益が16.9%増の1兆2639億円、営業利益は727億円(57.3%減)、当期損益は330億円の赤字だった。国内EC流通額は3兆9000億円で、13.4%伸ばした。ファッションカテゴリーも消費増税時は一時低迷したが、年間では好調だった。
当期損失は、携帯キャリア事業、物流ワンストップ体制構築への2000億円投資などが要因。物流クライシスを受けて「中小出店社をサポートできる物流構築を必死でやっている」とした。