【専門店】21年春夏物仕入れ、消費変化、今後のリアル店動向 コロナ禍前には戻らない

2021/02/23 06:30 更新


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 繊研新聞社は、中小ファッション専門店へ「20年販売結果と21年経営見通しアンケート」を行い、21年春夏物仕入れ計画、ウィズコロナのファッション消費や今後のリアル店舗の在り方について聞いた。新型コロナウイルス感染症の再拡大でいまだ終息が見えない中、20年春夏から大きな影響が続いている。消費者の購買動向や市場環境の変化は「コロナ禍前には戻らない」と考える各ショップ、企業が多く、経営方針や品揃えの見直しなどを模索している。今回のアンケートは20年12月24日まで実施し、「20年の販売、客数・客単価の増減」「コロナ禍で実施した販売施策」「21年の販売見通し」については1月7日付で掲載した。

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《仕入れ計画》増やす・減らすほぼ同数

 21年春夏物仕入れ計画は前年同期に比べ、「増やす」と回答した企業は38%で、「減らす」の36%とほぼ同数となった。20年はコロナ禍の影響で63%の企業が前年実績を落としており、慎重な姿勢がうかがえる。減らすとした約半数は前年同期比60~70%台に抑えると回答。先行きの不透明感に加え、「この状況が当たり前になる」「在庫を減らした一方で、利益は伸びた」などが背景にあるようだ。売り上げ至上主義から、利益重視や顧客に向けた的確な提案などの方針転換も見られる。


 一方で、増やすと回答した企業では、20年の販売実績がコロナ禍でも前年を上回った企業が多い。新規ブランド導入やネット販売強化への手応えなどで、商品量を増やすことでさらに売り上げアップを狙っている。前年を下回った企業でも、20年に方向性を見いだした結果、攻めに転じる考えだ。

21年は既存ブランはそのままに、新規5ブランドを追加する「ラージラブタウン」

《仕入れ枠》フル発注は44%にとどまる

 12月末での春夏物仕入れ計画に対する現状では、すでに枠いっぱいを発注した企業は44%にとどまっている。仕入れを増やす企業でも約半数が枠を残しており、市場や環境を見定めるや期近での発注傾向が強まっている。

 春夏物以降の商品仕入れに関しての質問では、「オリジナル商品の強化」が一番多かった。コロナ禍を受けて、オンラインの活用や客数の減少傾向の中、「どこにでもある商品」ではなく、消費者を引き付け、ここで買いたいと思わせる品揃えがより重要と感じていることが分かる。次に多かったのが「根本的に見直す」で、環境変化への対応を重視しているようだ。また、「予約販売に切り替える」企業も複数あり、密を避けてより顧客重視への新たな経営方針も出てきている。

 その他では、「地域との協業商品の強化」(ホルス)、「選択と集中で、圧縮した予算をキャッシュフォロー改善のため他事業へ投資」(ヴェリスタ)などの回答があがった。一方、ナインズ、ピッカ、Pt.アルフレッドなどは「特に何も変わらない」など、顧客から支持されてきた運営スタイルや品揃えをより徹底する考えだ。


《消費者の購買動向》部屋着以上おしゃれ着未満

 コロナ禍で、ファッション業界は大きな影響が続いている。また、消費者の購買動向の変化や巣ごもり需要など、環境も変化している。ウィズコロナのファッション消費については、「閉塞的な風潮だからこそ、ファッションを身にまとう高揚感がより楽しさを与える」(373)や「コスパなどで相対的に選ばれる店やブランドは消えていくのでは」(ユーフォニカ)、「部屋着以上、おしゃれ着未満を求める人が増えた一方で、より良いもの、長く着用したいという意識も強まっている」(ケーアンドピーインターナショナル)など、商品提案力が重要になると感じている。

 また、「魅力ある商品をどのような手法で宣伝し、販売するか」(えがお洋品店)、「業界の問題の顕著化が進んだだけ」(スパーク)など、消費はウィズコロナに関係ないと見る企業もある。

《リアル店舗の意義》重要性や存在感を再確認

 リアル店舗の在り方や存在意義の考えにも変化が見られる。「リアル店舗は上顧客最優先の体制で完全予約制に切り替え、より一層EC販売を強化する」(イシカワラボ)や「ECと連動した新しいコミュニケーションツールとして位置付ける」(スズキインターナショナル)など、リアルとネットの融合も進んでいる。

 コロナ禍を経験し、改めて存在価値や重要性を感じている企業も多い。「個性的なリアル店舗はより重宝される。おしゃれをして街に出るのではなく、店そのものがおしゃれをして楽しむ場所へ」(ダイアリーズ)、「リアル店舗にこだわる層が一定数いることが改めて分かった。ファッションだけに限らずに来店したくなるような取り組みができれば生き残れる」(セドルクロージングストア)など、リアル店舗の必要性を上げている。また、「オンライン強化は流れだが、より人と人との信頼関係が大事になる」(エスティーカンパニー)、「人は直接会える喜びを必ず欲する。対面販売を強みとするリアル店舗はコロナ前より繁盛するのではないか」(ツジ)など、強みを強調する。

(繊研新聞本紙21年1月21日付)

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