メンズショップの女性販売員が男性のお客様を接客する時、ほとんどのお客様とトークが盛り上がる鉄板の質問がある。
学生時代、何か部活やってました?
誰にでも経験のある中学高校時代、厳しい練習、仲間との絆、ライバルとの勝負事、etc. 部活こそが学生時代の最高の思い出という人も多いであろう。
次から次へと思い出が出てくるものであるし、うまく聞き役になってさしあげると、最初は口が重いお客様でも結構話してくださるものである。部活トークで盛り上がると、確実にお客様とのココロの距離を縮めることができる。
最も、いきなり部活の話を振っても、お客様も戸惑ってしまう。部活質問をするためには、それなりにお客様を観察することと、ちゃんとした前振りが必要である。
まず、お客様の様子をよく見よう。明らかに「帰宅部だったのでは?」と思えるようなお客様に対しては、部活質問はしないほうが無難である。
体型や雰囲気から、「何かやってたぽい」というお客様が商品をご覧になっていただいていたら、タイミングを見計らって、こんな風に振ってみよう。
「サイズはどのくらいのものを着られますか?」
「本当はMなんだけど、腕が太いからLでないと無理なんだよね」
「普段、お洋服選ぶ時に困ることって、あったりします?」
「太ももに筋肉ついてて、履けるズボンを探すのが大変なんだよ」
こんなお返事をいただけたらしめたもの。部活トーク、スタートである。話を聞きながら、体型の悩みを聞き出し、カバーできる商品を提案しよう。断言してもいい。かなりの確率で買っていただける。
商品の説明をすることが接客ではない。
お客様との会話を通して、お客様のお悩みやご要望をしっかり伺って、お客様のために最も良いと思われる商品をご提案するのが接客である。
究極、商品の説明なんてしなくてもいいのだ。
「このひと、わかってくれている!」と思ってさえいただければ、しめたもの。素材の特徴や機能の説明をする前に、お客様はあなたを信頼して、サラッと決めてくれるものなのだ。
(パーソナルビジネスプランナー・都築 志摩)