伊藤忠商事と大丸松坂屋百貨店 協業で買い取りサービス LINE活用で会員増加

2022/07/26 06:27 更新


買取代金はLINEペイを通じて、手続き完了後即時に受け取ることができる

 伊藤忠商事と大丸松坂屋百貨店が協業して、LINEの活用で完結するリユースの買い取りサービス「Put」(プット)の会員登録を拡大している。

 ファッション商品では、消費者がそのシーズンだけ着用して、すぐにフリマなど2次流通で販売するケースがある。プットは、商品を購買した後に、スマートフォンなどのモバイル端末を使って商品とレシートの写真を撮影して送信するだけで、2次流通品の買い取りが完了する仕組み。買い取り代金はLINEペイを通じて、商品引き渡し前の段階で、手続き完了後即時に受け取ることができる。

 商品の引き渡しは、購入日から3カ月後か、6カ月後を選択できる。買取価格は3カ月後で小売価格の20%、6カ月後で15%と定率設定だ。対象商品は税込み2万2000円から33万円の価格帯。レディス、メンズなどアパレルを中心に約2000ブランドを買い取る。なお、買い取りできるものは、購入日から6カ月以内の商品に限定している。商品の集荷については運送業者が自宅まで訪れ、送料は無料だ。

 大丸松坂屋百貨店では、プットのLINEアカウントに「友だち登録」(会員登録)することで、同百貨店で使用できる「500円クーポン」を配布するなどして、業界のサステイナビリティー(持続可能性)に貢献するリユースサービスを拡大する。対象店舗と利用期間は、大丸東京店が6月1日から7月31日、大丸大阪・梅田店が7月1日から8月31日、大丸札幌店が7月6日から8月31日まで。伊藤忠は「大丸松坂屋百貨店との取り組みを通じて、友だち登録が飛躍的に伸びている。プットの拡大に手応えを得た」としている。

 プットのビジネスモデルは伊藤忠が設計。同社が、ブランド品・アパレルの買い取り・販売サービス「ブランディア」を展開するデファクトスタンダードと協働して21年9月からスタートした。デファクトスタンダードは従来の高級品ゾーンを中心とした展開から、中高級品へと扱い商材の幅を広げる構え。

 大丸松坂屋百貨店は、不用品を店頭で回収する「エコフ・リサイクルキャンペーン」を16年から毎年(年2回)実施している。衣料品、靴、バッグのリサイクルに加え、化粧品容器のリサイクル、再資源化を18年に開始。回収スキームの再構築でリサイクル率の向上や再販売による収益化の検討を始めている。また、同百貨店はサブスクリプション(定額課金)型ファッションレンタルサービス「アナザーアドレス」も推進しており、ファッション市場のサステイナブルに向けた活動に力を注いでいる。

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