この数シーズンのトレンドを踏襲する傾向が続くなか、差別化要素として、テキスタイルの重要性が一段と高まっている。サステイナビリティー(持続可能性)やジェンダーレスといった消費者の価値観や購買行動の変化に応じ、定番アイテムに使う素材を見直す動きもある。テキスタイルビジネス商談会のプレミアム・テキスタイル・ジャパンに出展した有力企業の提案から、24年春夏の特徴を拾った。
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自然モチーフに迫力
装飾素材に描かれる自然のモチーフがパワフルになっている。春夏定番のボタニカルも、大きく、鮮やかな柄が大勢だ。手工業的なレースから最新のデジタルプリントまで様々なテクニックで表現され、バリエーションが広がっている。
プリント企画のモエランスタジオは、プリント生地ブランド「ヘン」で、大胆な柄を全面に出した。ビビッドカラーやネガフィルムのような黒が入り混じる複雑な柄は、山の岩肌や草木といった自然の風景をコラージュして作られている。
レース専門商社の落合レースは、カナリアイエローの基布にターコイズブルーの糸で、アロハシャツをイメージした植物柄を刺繍した。自然豊かな地へ旅に出る解放感を連想させ、ジェンダーレスに身に着けられる。人や物への思いやりを大切にする精神も込められたアロハを取り入れることで、エシカル(倫理的)なレースを表現した。
エンブロイダリーレース製造のフロリアは、サステイナブル(持続可能な)レースとして、再生ポリエステルの基布に、綿の落ちわた100%の10番双糸で線画風のリーフ柄をあしらった。刺繍糸が切れやすく太いために不良品が出やすい生地だが、低速で動く50年前の機械と熟練の職人技、適切な間隔で針を動かせる企画力を結集し、実現した。
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