ファッショントレンドにこの数年は大きな変化が見られない中、個性を出す要素としてテキスタイルへの関心が格段に上がっている。5月に開かれたテキスタイルビジネス商談会のプレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)25年春夏には、ナチュラルなしわ感や凹凸など表情豊かなテキスタイルが多く並んだ。
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しぼ感や刺繍
小松和テキスタイルは、麻や綿を主力とするコンバーターだ。初めての試みとして、伝統的な東炊き染めで染めたナイロン100%のタフタを見せた。塩縮加工を施したようなしわ感をポイントにした。
福井の産元商社の畑岡は、スパイバーの人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)を使ったテキスタイルの訴求を強めている。中でも、ちりめんのようなしぼ感のあるタイプに関心が集まった。
「凹凸など表面に変化のある商材に引き合いがあった」とは、レース・刺繍加工のサン・ルック。特にテープ刺繍が好評だった。
新潟県五泉市の本社工場で、サガラ刺繍やレーザー刺繍など様々な加工を行う田中刺繍は、コード刺繍の反応が良かった。ブースでは工場での製作の様子を動画で見せ、アパレルや小物メーカーなどが足を止めた。中国のバイヤーとの商談があったという。