PTJ18年春夏 差別化素材が一堂に

2017/05/10 06:30 更新


 テキスタイルビジネス商談会のプレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)18年春夏では、国内を中心に有力テキスタイルメーカー、コンバーター、染色加工場など97社が一堂に集まり、個性を競っている。注目の素材を紹介する。

リリーレースインターナショナル 和紙レースで意匠広げる


 リリーレースインターナショナルは和紙使いのレースで意匠の奥行きを広げ、シリーズを充実した。和紙・ナイロン・レーヨン・ポリエステルの和紙デニムシリーズは、メッシュに変化をつけて立体的に見える3D企画をはじめ3柄を揃えた。和紙・ナイロン・コットンのレースでは箔(はく)加工で光沢感のある3柄を加えた。

サンファッション  伝統加工技術で素材開発


 サンファッションは、日本の伝統的な加工技術を駆使したテキスタイルを提案する。ポリエステル複合や綿を使い墨流しや箔(はく)、ぼかしなどの和装の世界で培われてきた技術を生かしたテキスタイルやレースを衣料用から服飾資材まで幅広く開発した。国内だけでなく、輸出も意識した展開で市場の拡大を目指す。

林与 近江上布を広幅で再現


 林与は、近江上布のヨコ絣を112センチの広幅テキスタイルで再現した。60~100番手のラミー糸を使い、緯糸に柄を捺染してからシャトル織機で織り直した。柄は同社のある地域で50年前に織られた数千柄のアーカイブから選んだ。ストールを中心にワンピース向けでも提案する。

サンコロナ小田 独自糸軸に新しい風合い


 サンコロナ小田は、固有の糸加工技術によるポリエステル割繊糸「ミストロン」と異繊維との交織が好評だ。極細の糸が相手繊維の良さを引き立てながら、新しい風合いを加える。キュプラとの交織は、キュプラの落ち感をミストロンのコシが支え、トレンドのプリプリとした感触に仕上がった。光沢も和らぐ。

浅記 スペック染めシャドーチェック


 浅記は、得意のスペック染めを生かしたシャドーチェックの織物に注力した。「市場は無地ライクな物を好む傾向」のため、柄による主張を抑えた。綿・麻の糸に強く撚りをかけ、生地のシャリ感とシボを強調した。スペック染めによるナチュラルな印象と、奥行きのある色合いが特徴だ。

ダックテキスタイル 表情豊かなシャンブレー


 ダックテキスタイルは、意匠と感触が特徴的な薄地を充実した。綿の50番単糸で織ったシャンブレーは、ポリエステル糸でケーブルの刺繍を格子状にあしらって洗いをかけ、格子を立体的に浮かび上がらせた。定番のデニムや、その加工物も揃うが「出尽くした」として、シャンブレーなど表情豊かな生地のバリエーションを増やしている。

デザインハウス風  新しいプリント表現を提案


 デザインハウス風は5メートルの生地の中に花や幾何、直線や曲線などを入れた個性的で大胆な柄をインクジェットで表現した。顔料や刺繍、オパール、スパンコールなどの加工技術を併用して立体性を加味した。使う場所によって衣料やバッグ、シューズなど多彩なアイテムを自在に表現できる。プリントの創造性を喚起する提案が新鮮だ。



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