17年プレフォール、広がる英国調チェック

2017/02/08 06:27 更新


 17年プレフォールコレクションは、英国調のチェックが広がっている。そこにフリルやレース、スポーツテイスト、ロックテイスト、花柄を組み合わせていく。アイテムは、パンツの裾が広がるフレアパンツが充実。サイケデリックな柄や色使いも多く、レトロな雰囲気がより強まっている。


■グッチ
グッチ(Courtesy of Gucci)
グッチ(Courtesy of Gucci)
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グッチ(Courtesy of Gucci)

 「グッチ」のプレフォールは、色柄の組み合わせがいつも以上に自由で楽しい。ルックの舞台になったのは、古い書籍や絵画、ガラス瓶などがずらりと並ぶ部屋の中。木造の家具にしっとりとなじむ明るい色のルックが揃った。鮮やかなブルーの花柄ジャケットには、レトロなオレンジベースの花柄パンツ。マルチボーダーのトップ、正面を向いたトラの顔が並ぶマント、3本線入りのトラックパンツといったミックススタイルもど迫力で面白い。さまざまな花柄をボーダー状にはぎ合わせたドレスやスカートも多い。ロングポイントのシャツやフレアパンツなど60年代テイストのアイテムが利いている。フリルブラウスや襟元を飾るコサージュリボン、ターバン、装飾的なサングラスといった定番のアイテムは健在だ。ルック写真は全て、古い壁紙のような小花柄で縁取られている。


■プラダ
プラダ
プラダ
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プラダ

 

 「プラダ」はメンズの17~18年秋冬コレクションのショーで、レディスのプレフォールを披露した。メンズと同様に、レディスもバナルでレトロなルックが揃った。キャメルからブラウン、オレンジを基調にしたラインは、テーラードジャケットやレザーのベルテッドコートが軸。スエードのパッチ&フラップポケットとマットな質感のスタッズ飾りが、レトロな雰囲気を高めている。シャツとVネックセーターにジャケットを重ね、頭にはキャスケット、足元は柄ソックスとファーシューズ。ダサ可愛い感じをセンス良くミックスしていく。後半は、古着店にありそうな刺繍入りのモヘアセーターとタイトスカートのスタイリング。グリーンとオレンジ、白とピンク、ブルーと赤など、きれいな色合わせで見せる。


■MSGM
MSGM
MSGM

 「MSGM」のプレフォールはストーリーが楽しい。英国王室を描いたロイヤルドラマ「THE CROWN」を見ながら、英国のロックバンド「ブラー」の曲を流すという現代的なシチュエーション。英国のクラシカルな要素を、現代に落とし込んだ。アイコンはダイアナ妃。当時の彼女のファッションやライフスタイルが着想源になっている。といっても、マッシモ・ジョルジェッティの表現は若々しい。きちんとした英国調の素材とスポーツの要素、愛らしいフリルやラッフル、パンキッシュな赤いエナメルが一つのルックに同居する。ゴールドのスパンコールトップには、チェックのフリル付きケープとプリーツスカート。アーガイル風のセーターとテニスプレーヤー風のヘアバンドといったレトロスポーツのスタイルも、パールやプリーツスカートを合わせて、レディーライクに仕上げている。


■ヌメロ・ヴェントゥーノ
ヌメロ・ヴェントゥーノ
ヌメロ・ヴェントゥーノ

 「ヌメロ・ヴェントゥーノ」は、トラディショナル、フェミニン、スポーツのミックスをそぎ落として表現。メンズライクなチェック地で作るのは、女性らしいコルセットトップとタイトスカートのセットアップ。ビッグフォルムのカーディガンを羽織って、女性らしい雰囲気に仕上げた。シャツに重ねるコルセットベルトもメンズライクなスーツ地仕立て。フォーマルなテーラードコートの裾ではフェザーが軽やかに揺れ、華奢{{きゃしゃ}}なサンダルにはスポーティーなライン入りソックス。さまざまな要素をシンプルに重ねている。


■アクネ・ストゥディオズ
アクネ・ストゥディオズ
アクネ・ストゥディオズ

 「アクネ・ストゥディオズ」は、プライマル・スクリームのフロントマン、ボビー・ギレスピーに焦点を当てた。ジョニー・ヨハンソンは、「ミュージシャンの着こなしが放つ個々の自己表現は常に興味深い。今シーズンはコレクションを作る中で、ボビー・ギレスピーが浮かび上がってきた」という。ファースト10ルックはギレスピー本人がモデルを務めているが、全てウィメンズウェアとしての提案している。スタイルは、レトロでサイケデリックな要素が軸。フェミニンなボータイブラウスにタイトなセーターを重ね、ノスタルジックカラーのレトロフラワーで彩ったフレアパンツを組み合わせる。デニムのビッグブルゾンやずるずると引きずる丈のパンツ、ぬいぐるみのようにもこもこしたファーバッグなど量感のあるアイテムが、細く長いシルエットのアクセントになっている。


■ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ
ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ
ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ

 

 「ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ」がフォールコレクションの舞台に選んだのはコペンハーゲン。建築などに見る近未来的な構築デザインがインスピレーションソースになった。クラシックでエレガントなルックの背景は、建築家ヴィルヘルム・ラウリッツェンが手掛けたコンサートホール。クチュール仕立てのテーラードジャケットやレースをふんだんに使ったドレスなど、得意とするラインが揃った。アルネ・ヤコブセンが設計した未来的なガソリンスタンドでは、サイケデリックなパンツルックが鮮やか。レースのフレアパンツが新鮮だ。モノトーンの中でイエローやピンクがアクセント。



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