プラダは、プラダ財団の支援を得て企画した展覧会「シュトゥルム&ドラング・プレビューサービス」を11月26日までプラダ青山店5階で開催している。展覧会を通して、コンピュータ生成画像(CGI)の実践、体験、環境を探求する取り組み。コンピュータースカルプチャーの複雑さを取り上げ、現代の画像制作と、それが私たちの日常の認識に与える影響の調査を目的とする。
「シュトゥルム&ドラング」は、プラダ財団とスイス連邦工科大学(ETH)チューリヒ校建築学部にある学際的プラットフォームのgtaエキシビションズとの協業による取り組み。今回の展示はプロジェクトの新しい方向性を示すものになる。ここで探求するのは最終的な作品であるデジタル画像ではなく、CGIが制作される実際の空間や、想像上の空間となる環境とセットであり、今回の展示はそれらの集大成となる。
デジタルテクノロジーとの実際の関わりを表現する一つとして、ウィリアム・ギブソンのSF小説「ニューロマンサー」(1984年)が取り上げられているのも特徴だ。主人公がイメージしたサイバースペースにつながる架空の環境、千葉の簡易ホテルの部屋が表現されている。
同企画は2年間のプログラムで、第1段階は大学のオンライン講義という形式で、ETHで美術史と建築史を学ぶ学生と研究員を対象に、2~6月に開かれた。今回のテーマには、9月9日~22年1月22日にミラノで予定するプラダ財団の展覧会に広げていくものもある。