パリ・ファッションウィーク(PFW)の公式ランウェーへの道はそんなに甘くない。多くの若手が公式日程でショーを行っているように見えるが、それはプレゼンテーション枠を使ったもの。そしてプレゼン枠で徳を積まなければランウェー枠への格上げはないのだ。
(ライター・益井祐)
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公式ランウェーに26年春夏コレクションでデビューを果たしたのが、インドの若手「カルティック・リサーチ」だ。凝った素材を使ったタキシードジャケット、刺繍が施されたショーツのセットアップ、プリントベルベットなどをパッチワークしたジーンズ。母国のテキスタイルや装飾技術が至るところに見受けられた。インスピレーションになったのは日々インドのストリートに見る人たちのようだ。

一方でプレゼン枠で初のランウェーショーをしたのがシューズブランド「カンペールラボ」。アキレス・イオン・ガブリエルがクリエイティブディレクターに就任以来、存在感だけでなく売り上げもアップ。無数のスタッズのようなソールのスニーカーは、また人気になりそうだ。2回のショーを行うことで枠の時間を有意義に使い、前後の公式ランウェーとのかみ合いを考慮していた。