《視点》コスト増

2018/05/01 03:55 更新


 服地コンバーターや産地機業場から「生産・販売コストの上昇が悩ましい」との声を耳にする機会が増えた。ウールやシルクなどの原料高騰、加工薬品代や電気代、運送費、倉庫代などの諸経費の増加が利益を圧迫。「前年よりトータルで約10%のコスト増」とするコンバーターもある。

 シルク織物の産地では「生糸の上昇が止まっておらず、単価を上げる雰囲気が強まっている」という。染色団体も取引慣行是正に動き出した。一方、ECの台頭などで製品の価格競争が激しいことからアパレル企業のコスト抑制意識も根強く、コンバーターとしては板ばさみの状態に追い込まれている。

 こうしたなか、まだ様子見のコンバーターもあるが、商品企画に工夫も見られる。「ウール原料の高騰でリサイクルウールやウール調化合繊を強化する」「製品洗い加工に見えるデジタルプリントでスピードと価格メリットを出す」などの動きが始まった。

 「値上げは難しくコスト管理が課題」との認識が広がり、新しい糸や加工、生地に加え、物作りの仕組み開発も注目される。(阿)




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