国際ファッション専門職大学とモード学園 「メゾンキツネ」の黒木理也氏を招き特別講義

2025/12/09 06:26 更新NEW!


黒木氏の話に刺激を受けた学生が多く、好評だった

 国際ファッション専門職大学とモード学園は11月、東京、名古屋、大阪の三つのキャンパスで「メゾンキツネ」の創設者の一人、黒木理也氏を招いて特別講義を行った。

 東京では、専門職大学のファッションクリエイションとビジネスの両学科、モード学園のファッションデザイン、テクノロジー、ビジネスの各学科の学生が参加。黒木氏は生い立ちやライフスタイルブランド設立までの経緯を話した後、会場の学生10人以上からの質問に答え、対話形式で講義を実施した。

 講義のテーマは「好奇心、想像力、行動力」。黒木氏は、画家だった母と12歳の頃にパリへ移住。多様な人種や政治思想が混在し、なじめない環境で背中を押してくれたのが音楽で「アクションしないとリアクションはないし、何も変わらない」と、アルバイトをして貯金し、18歳で「憧れの音楽の聖地」ニューヨークに渡り独立。バイト生活の中で「人を喜ばせることが好き」な自分に気付いた。

 21歳でパリに戻って大学で建築を学び、フランス一級建築士の資格を取得。「建築の仕事もしたけれど楽しくなくて、好きなことを仕事にしたいと02年、ファッションと音楽、飲食を融合したブランド『キツネ』を立ち上げた」。「好奇心から生まれる想像力は無限。日本では、こうあるべきという考えや結果を求めがちだが、クリエイションに正解や完璧はない。毎日を楽しむための服や音楽を提案していて、喜んでもらえるとうれしい」と話す。

 質疑応答では、「海外で長く暮らしているが、現地になじめているのか」との問いに「パリでは移民として差別され、アメリカでは外国人扱いされ、まだアジャストしていないと思う。でも違いがあるから面白いものが生まれるし、みんな一緒じゃつまらない」と回答。「人に喜んでもらい、信頼されるための努力は」との質問には「自分を知り、自分を好きになることが大事。自分がどこに向かいたいか分かっていると、空気感が伝わり安心されるのでは」と答えた。



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