ピエール・カルダンさん死去 モード界の先駆者

2020/12/30 09:14 更新


 【パリ=松井孝予通信員】デザイナーのピエール・カルダンさんが12月29日、パリ郊外で死去した。98歳。死因は公表されていない。

 カルダンさんは1922年、イタリア生まれ。フランス・ロワール地方の仕立屋で14歳で修行を始め、その後パリのメゾンで働き、1947年に創業したばかりの「クリスチャン・ディオール 」に入社。50年に自身のメゾンを創業した。ビニールやフェイクファーを素材に取り入れ、代表的なユニセックスの「コスモコール」(68年)でモードにフューチャリズムを吹き込み、アンドレ・クレージュ、パコ・ラバンヌらと新しい時代を築いた。

 百貨店プランタンでプレタポルテを販売。オートクチュール雇用組合から強く批判されたが、「ストリートのファッションのために豪華なサロンから離れることは不名誉なことではない」と主張した。

 日本では特にライセンスビジネスの成功でも知られる。スリッパやタオルなどの生活用品まで、イニシャルの「P」を配した商品は全国で売れた。80年代には中国にショールーム、モスクワにブティックを開設しグローバル化を推進した。

 20年9月にはメゾン創業70周年のショーを開催。生涯現役を貫いた。



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