23SSパリ・ファッションウィークデイリー

2022/09/30 11:00 更新


 パンデミック(世界的大流行)前にぐいぐいと勢力を広げていた中華系ブランドだが、度重なるロックダウンや帰国後の隔離の厳しさから、欧州への復帰に出遅れていた。香港で隔離措置が撤廃され、中国本土でも7日間に短縮したため、今回はだいぶカムバックし始めている。また『ヴォーグ・チャイナ』のファッションディレクターやインフルエンサーのユウユウことユウウェイ・ジャンズウも到着、今後の流れを後押ししそうだ。

 公式日程では前回プレゼンデビューした「ディドゥ」が再び登場。アントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼女は、マレの路上でゲリラショー風に見せた。コロナ下のフラストレーションを表現したと言う。

ディドゥ

 初参加の「ルオハン」はニューヨークのパーソンズを卒業し、上海をベースに活動している。シルクなど上質な素材を使ったシンプルなコレクションで、Y2Kトレンドに押されがちな若手には珍しいモダニストデザイナーだ。

ルオハン

 若手デーと言っていいパリコレ初日の公式日程の合間に「メートルピエール」がオフスケジュールショーを敢行。ラ・カンブル卒の彼は「ジャンポール・ゴルチエ」のクチュールなどで経験を積んだ。23年春夏の着想源は「ロバと王女」。カトリーヌ・ドヌーブが出演した映画やエンパイアスタイルのような歴史的なコスチューム、違った時代の要素をミックスし、丈などを変えることで今の雰囲気に。同時に「デシグアル」とのサステイナブルコラボコレクションがローンチされた。

メートルピエール

(ライター・益井祐)



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