24~25年秋冬パリ・メンズファッションウィーク コンセプチュアルな物作りを軽やかに

2024/01/23 06:30 更新有料会員限定


 【パリ=小笠原拓郎】24~25年秋冬パリ・メンズファッションウィークは、コンセプチュアルに思考しながら軽やかに仕上げたコレクションが目立つ。パターンメイキングにこだわりながらシンプルに仕上げたり、アイテムを合体させながら軽快に仕上げたり。ボトムレスやトップレスのコーディネートも登場している。

(写真=コムデギャルソン・オムプリュスとホワイトマウンテニアリングは大原広和、メゾン・ミハラヤスヒロはLuca Tombolini)

【関連記事】24~25年秋冬パリ・メンズファッションウィーク 粗野で素朴なエレガンス

 コムデギャルソン・オムプリュスは、マスキュリンとフェミニンの間の現代のテーラーリングを模索する。マスキュリンの代名詞ともいえるテーラーリングをベースにしながら、極端なウエストシェイプを取り入れる。肩の大きさは通常のジャストサイズなのに、まるでコルセットのようにウエストを締め付ける。ウエストに縦にスラッシュを入れて無理やりボタンを留めるジャケット、ウエスト部分を折り畳んでぎゅっと締め付けるようにして着るジャケット、ボタンで留めれば普通に着られそうだがジップアップで無理やり細く着るジャケット。そんなタイトなウエストシェイプのテーラーリングが揃う。

コムデギャルソン・オムプリュス

 ウエストを強調したテーラーリングのアクセントとなるのはたくさんのボタン。ジャケットのヘムラインやショルダーラインに沿って、たくさんのボタンがトリミングのように配される。それはビジュー刺繍のようにきらびやかな装飾ではないが、一つひとつのボタンそのものが刺繍のようなニュアンスとなってアピールする。

 コムデギャルソンにとっては見慣れたものの一つであるインサイドアウトのテーラーリングも、今シーズンはちょっとニュアンスが違う。インサイドアウトという概念を主張することよりも、裏地のふわふわとしたドレープを強調する。タイトなものとそこからはみ出したようなニュアンスが今シーズンの隠れたキーワードで、靴も中敷きが外側にはみ出してしまう。静かなスタイルの中に、パターンメイキングのたくさんの技術とアイデアが散りばめられた。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事