ニューヨークを拠点にする大丸隆平が手掛ける「オーバーコート」を国内で運営する大丸製作所3は今秋、東京・港区南青山にオフィス兼アトリエを移転した。一つのフロアを仕切らずにスタジオを併設し、10月下旬、23年春夏向けの顧客向け受注会を行ってアトリエを初公開した。
新オフィスは、コンクリートの天井と壁面をむき出しにしたインダストリアルな空間。入り口から見えるように裁断台を置いた。天井に、金属板を張り巡らして生地のストックスペースを設けるなど、製作所らしい機能的な作りになっている。「洋服を買い物していただくことだけでなく、自分たちが物作りしていることをリアルに感じる場所を作りたいと思っていた」と大丸。東京では、10人近くのスタッフが勤務する。パターンメイキングやグラフィックの制作などクリエイションの拠点はNYだが、既製服の生産は日本で行っている。
受注会の最中も、アトリエでは日常業務を行い、来場者は、工場に送るための生地の裁断などを垣間見ることができた。スタジオはまもなく、オーバーコートの直営店として運営する予定だ。