オンワード「ICB」堅調 ブラウスとワンピースがヒット

2018/08/09 06:26 更新


 オンワード樫山の婦人服ブランド「ICB」は働く女性から支持され、堅調に売れている。3月に前年同月比10%増の売り上げと好スタートを切った18年春夏は、6月までで3%増で推移、7月もセールは不調ながらプロパーは前年を上回った。夏物ではセール期間中もプロパーで販売する価格を抑えたブラウスとワンピースがヒットしている。

(壁田知佳子)

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 マニッシュでクールなオフィススタイルを強みに、定番ジャケットとボトムのセットアップをこの5~6年継続的に伸ばしてきた。春夏も強みのジャケットとパンツが好調で3月はジャケットが20%増、パンツも25%増。今年は定番のノーカラージャケットに、太めのパンツを合わせるスタイルが人気だった。型数を増やしたコートは70%増。コートは2月に売れ行きが良かった肉のある素材のノーカラーコートが3月も継続して売れたほか、春の定番の綿・ポリエステルのライトコート、新たに加えたフード付きカジュアルコートともに良く動いた。ラベンダーやカーキなど、ベーシック以外の色が動いたのが今年らしい動きだという。

 夏物はブラウスが3倍、ワンピースが2倍と大幅増。6月中旬から通常よりも価格を2~3割抑えたブラウスとワンピースがヒットしている。ワンピースは、新ラインの「ユーティリズム」が売れ筋になっている。通勤に使えるデザイン8型を揃えたバリエーションと、1万8000~2万2000円と買いやすい価格がヒットの要因とみる。ユーティリズムはすべてが家庭洗濯可能で、一部UV(紫外線)カットなどの機能に付加価値を持たせたライン。パンツスタイルに強いブランドのため、顧客にとってワンピースが新鮮なアイテムだったことも売れた要因とみる。

春夏商戦をけん引したブラウス
新ライン「ユーティリズム」のワンピース

 限定品や限定色を販売するなど強化したECは春夏は50%増。同社の他ブランドと比較しても高い伸びとなった。ECの売り上げ構成は12%。

 今秋も価格を抑えたブラウスを継続して強化しながら、スエード調素材の軽い羽織り物など、気温の変化に合わせたアウターを充実する。10月頃に本格化する冬コートは、非ウールの投入量を昨年の約2倍に増やす。定番だけでなく、配色に特徴を出したスタイリッシュなダウンコートなど、デザインで他ブランドとの違いを出す。

 秋冬は、働く女性のスタイリングの悩みにこたえるコンテンツを15週連続でウェブで配信する新たな試みを開始する。内容は10月に店頭でも配布し、働く女性のニーズに対応するブランドとしての認知を上げていく。

働く女性からの支持が高いセットアップ(18年秋冬物)


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