オンワードホールディングスは(HD)19年8月に開始したプロジェクト「働き方デザイン」を通じて、働き方改革に取り組んでいる。男性の育児休業取得率や取得日数が大きく伸びたほか、副業制度の導入や人事制度の改定、処遇の改善も進めた。
19年に「男性育休100%取得宣言」をし、希望者全員の育休取得を目指している。取得促進のため、管理職向けオンライン研修を行い、『仕事と育児の両立支援ガイドブック』を製作した。出産前の対象者の育休取得への理解促進やコミュニティー形成を目的としたセミナーも定期的に開いている。
21年度の男性の育休取得率は、前年度より7.3ポイント向上して27.3%となった。全員が2週間以上取得し、平均日数は最長の141日に達した。
社内の通常業務では得られない知識やスキルを習得することを目的に、22年7月には副業制度を導入した。社内ポータルサイト内に特設サイトを設けるとともに、グループ内での副業案件も紹介している。
総合職の人事制度を改定、役割に基づき処遇を決定する「グレード制」を導入した。変化に対応して新しい発想でチャレンジする人を高く評価し、活躍を促すのが狙い。23~32歳の処遇を引き上げ、初任給も2万1000円上げて24万円とした。
販売職では、インフルエンサー制度を導入した。毎月手当を支給し、デジタルデバイスを個人貸与することで、店舗での対面接客に加えてデジタルツールを使用した接客による売り上げ拡大を目指す。
現状の課題を解決するために部署ごとの「カエル会議」(より良い働き方のために何をすべきか考える会議)も継続している。パタンナーの部署では属人的になりがちな課題に対し、技術継承を目的とした熟練のパタンナー技術を共有する勉強会を始めた。他の部署ではPCスキルの勉強会なども行っている。