24年春夏ニューヨーク・コレクション 若い女性に向けた変化のとき

2023/09/13 13:00 更新会員限定


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】アメリカはZ世代に売れなかったら成り立たないほど、若い世代の影響力が強い。24年春夏ニューヨーク・コレクションは、従来の路線だけでは若い人たちに受け入れられないと感じているのか、今までしてこなかった若い女性向けの服を加えるデザイナーが出てきている。

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 ジェイソン・ウーが変わった。粗野で未完成な要素を前面に打ち出した。今までのウーのドレスはため息がでるほど美しいが、客層と着る機会は限られる。今シーズンは、若い女性も気軽に色々なオケージョンで着られるものを見つけられるはずだ。1体目は、アイレットレースのような生成りのコットンに穴を開け、裾を切りっぱなしにしたドレス。きれいめのぼろルックといったところだ。同じ生地で作ったスポーティーなジャケット、ブリーチデニムも登場する。ランダムにカットしたセーターの裾はほどいてフリンジに。素材とディテールはナチュラルだが、ウエストは絞ったものが多い。スパンコールとビーズ使いもカジュアル感覚。柄はレトロなドローイングとエッチングで、コートとドレスにのせた。コレクションのタイトルは「ソルスティス」。至点を意味する言葉だが、ウーは定義に「ターニングポイント」と入れた。来季はどうなるのか、今から楽しみだ。

ジェイソン・ウー
ジェイソン・ウー
ジェイソン・ウー

 4年ぶりにショーをした3.1フィリップ・リム。リムはリリースの中に、コロナでビジネスを中断せざるを得なかったときの心境、19年間すべて自己資金で運営してきたこと、新しいコレクションに楽観、もろさ、希望を込めたことをつづった。透けるシフォンとオーガンディを使い、深いスリットを入れ、レイヤードの隙間からも肌をのぞかせる。ブラトップ、ミドリフトップも多い。そこに、ワークウェアやスポーツウェアを組み合わせてリムらしいルックを作る。機能性とセクシーの両方を併せ持つラインナップは、ニューヨークの女性たちが好みそうだ。

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