火災から5年半を経て、ノートルダム大聖堂は12月7、8日に再開の式典を行う。外国の国家元首や政府首脳、宗教関係者が参列するため、大聖堂周辺は厳重警備体制だが、祝賀ムードの中、外観を一目見ようとする観光客で大変なにぎわいだ。再開を前に、白色系の光に輝く大聖堂内部を視察したエマニュエル・マクロン仏大統領は、奇跡的な復元を成し遂げた1000人以上の職人たちを称賛した。この偉業により、フランスのサヴォワールフェール(匠の技)への注目が一層高まっている。
式典に向けて、デザイナーのジャンシャルル・ドゥ・カステルバジャックとの協業により、フランスが誇る芸術・工芸のメゾンで祭服や典礼衣装が制作された。これらの衣装は白を基調とし、十字架やステンドグラスに着想を得た色調が際立つ。同氏は、「兄弟愛、意義、美しさを求める新しい世代へのメッセージを込めた」と述べている。これらの衣装は、再開後の重要な式典でも引き続き使用される。
ゴシック様式の傑作とされるノートルダムの再開は、その美しさと、数多くの職人や専門家の献身的な取り組み、そして多額のメセナや寄付のたまものとして、歴史的な出来事となるだろう。
(パリ=松井孝予通信員)